
Q: イヤー3の子どもがいます。先月、NAPLANテストを受けましたが、これは日本の小学校で行われる全国模試などと同じようなものでしょうか? 先輩ママからテスト対策などはしなくて良いと聞いたので何もしませんでしたが、結果が悪かったら学校で何らかの影響が出るのかと心配しています。
NAPLANについての解説は、2022年に「NAPLANテストのオンライン導入」について取り上げて以来です。「テスト」と言うと、どうしても親としては構えてしまう人が多いと思いますが、質問者の先輩ママが言うように身構えたり悩んだりする必要はありません。なぜなら、NAPLANは国や学校のプログラムが機能しているかを見るのが大きな目的だからです。
NAPALANは、全オーストラリアのイヤー3、5、7、9の生徒が受ける唯一の全国的評価で、お子さんの学年が進むにつれて基本的な読み書きや計算能力をどれだけ身に着けているかを確認します。要は、国が決めた教育プログラムが機能しているか、きちんと生徒が学ぶことができているかを国の能力基準を使って審査し、今後に生かすためのものです。
生徒の現状を知ることが目的なので、そのために勉強されては現状がつかめません。生徒自身の能力云々というよりは、カリキュラム自体が適正か、学校や教師の方針・授業の進め方などが適切であるかを見ます。同時に、保護者は、4つの習熟度査定結果(Exceeding、Strong、Developing、Needs additional support)で自分のお子さんの読み書きと計算能力がどのくらいか、イヤー5以上の生徒は前回のテストからどのくらい進歩しているかを確認することができます。
また、各分野においてお子さんの得意・不得意も見ることができるので、結果を見てどの分野に力を入れたら良いのか、今後の勉強の仕方を考える材料にすることができます。教師も個々の生徒の結果を見て、今後の授業の進め方や、教材などを研究する材料に役立てることができます。
保護者のためのNAPALAN情報パンフレットの翻訳版がウェブサイト(https://www.nap.edu.au/naplan/for-parents-carers)で閲覧できますが、残念ながら日本語翻訳はないので、ウェブサイトの翻訳機能を使って読んでみてください。
学校レベルの結果は「My School」(https://www.myschool.edu.au)に掲載されます。2025年度の学校レベルの結果は今年の11月か12月に発表されるでしょう。
このコラムの著者

内野 尚子
1996年来豪。デイケア、プリスクールにて教師、authorised supervisorとして12年間従事。平行して2004年、同志とNSW州補習校を立ち上げ、代表兼教師として8年間運営に携わる。07年、Universal KIDS設立し、18年間で2歳から18歳までの児童約1500人を教授する。24年12月を以て教室での対面レッスンを終了したが、25年以降はオンライン教育相談は継続中。コロナ禍においては、保護者のためのオンライン・スクールを開設し、子育てをサポート。
Web: https://www.facebook.com/universalkids.com.au