学校でのいじめにどう向き合ったらいい?/オーストラリア教育あれこれ

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Q: イヤー4の子どもがいます。最近、朝学校に行くのを嫌がることがあります。理由を聞いても「嫌だから」「なんでも」としか言ってくれません。いじめにあっているのではないかと心配です。学校の先生に相談した方が良いでしょうか?

 お子さんが学校に通いたくないと言う時、一番先に考えてしまうのが「いじめ」の問題かもしれませんね。NSW州政府の教育サイトでも「いじめ」について取り上げられています。

 学校としては、「あらゆる種類のいじめを予防して、もしいじめが起こった場合は適切に対応するべく積極的に行動するという責任を負う」と述べています。そのため、保護者や生徒に積極的な行動を奨励しており、教職員、生徒、家族、地域社会を巻き込んで、前向きかつ計画的にアプローチしていくことがいじめを抑制する効果的な方法であるとしています。

 まずは、お子さんの話をよく聞くことから始めましょう。しかし、これは普段から家庭内で会話していないと難しいでしょう。保護者の皆さんはお忙しいと思いますが、毎日10分でも良いのでお子さんと向き合う時間を作ることを心掛けておくことが大切です。

 もし、学校に行きたくない原因が「いじめ」ではないかと思ったら、まず、家族はいつでもお子さんの味方であり、サポートするということを伝え、安心させてあげましょう。そして、お子さんがどうしたいか、どうして欲しいかを聞きます。その上で学校の先生に相談してみましょう。

 学校側はプライバシーを守る義務があるので、お子さんのことを外部に漏らすことはないはずです。反面、いじめをしている側の情報もすぐに得られるわけではないので、その点は承知しておく必要があります。

 しかし、相談することによって、先生をはじめとする学校側が注意深く見守り、解決に向けて会議をはじめとする行動を起こしてくれると思います。そのことによって、他に悩んでいる生徒の問題にも良い影響をもたらすかもしれません。問題によっては学校全体で取り組むことになる場合も考えられます。

 まずは落ち着いて原因を見極め、家族で解決できなければ学校に相談するようにしましょう。下記の「いじめ防止ファクトシート」(日本語版)のリンクを参考にして頂けたら幸いです。

■いじめについて

Web: https://education.nsw.gov.au/schooling/schooling-initiatives/anti-bullying/parents-and-carers

■いじめ防止ファクトシート(日本語版)

Web: https://education.nsw.gov.au/content/dam/main-education/going-to-a-public-school/media/documents/translated-documents-/anti-bullying—parents-and-carers-tips/antibullying-fs-japanese.pdf

このコラムの著者

内野 尚子

1996年来豪。デイケア、プリスクールにて教師、authorised supervisorとして12年間従事。平行して2004年、同志とNSW州補習校を立ち上げ、代表兼教師として8年間運営に携わる。07年、Universal KIDS設立し、18年間で2歳から18歳までの児童約1500人を教授する。24年12月を以て教室での対面レッスンを終了したが、25年以降はオンライン教育相談は継続中。コロナ禍においては、保護者のためのオンライン・スクールを開設し、子育てをサポート。
Web: https://www.facebook.com/universalkids.com.au





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