これからの不動産業界の展望とは
新型コロナウイルスの影響は凄まじく、不動産業界にも大きな影響を与えている。今回はサーファーズ・パラダイス・レイ・ホワイトのモト・ウォーターズ氏が、不動産業界に30年以上携わってきた経験を持つレイ・ホワイト社の代表取締役、グレッグ・ベル氏にコロナ禍によってどのように不動産業界が変わったのか、また今後どうなっていくのか、予想を聞いた。
今回対談を行ったモト氏(左)とグレッグ氏(右)
キャセイ・パシフィック航空、日本国総領事館勤務を経て、Ray White Surfers Paradiseで勤務。30年間にわたり、インターナショナル部門の責任者を務める。パナソニック、大和ハウス工業、大京、EIEなど大手日系企業との事業に携わった経験も豊富。ゴールド・コーストの不動産事情に精通している日本人として信頼を集める。
Greg Bell(グレッグ・ベル)
Ray White社、代表取締役。1989年にゴールドコーストの不動産販売会社であるレイ・ホワイト社を兄弟で買収して以来、30年以上にわたってゴールドコーストの商業物件、不動産売買における中心的存在として活躍。現在では260人を超える社員を抱えている。
コロナ禍の影響で起きた不動産業界の変化
モト・ウォーターズ(以下、モト):コロナ禍の影響で、具体的に不動産業界へどのような影響がありましたか?
グレッグ・ベル(以下、グレッグ):多くの事業が閉鎖したため、商業物件にテナントが入らないことで打撃を受けました。オーストラリアの人口減少も多大な影響がありましたね。その反面、住宅賃貸に関しては政府からファースト・ホームバイヤーへの支援、金利の見直しなどが行われました。結果として住宅賃貸に関しては家賃は上昇、空室はごくわずかという望ましい結果になっています。
クイーンズランド州(以下、QLD州)の不動産が人気な理由は、温暖な気候や不動産価格が手頃ということが挙げられます。これからもシドニーやメルボルンからの移住者は増える見込みで、今後3~5年間はQLD州の不動産市場は上昇が見込まれるでしょう。先ほど挙げた人気の理由以外にも、新型コロナウイルスへの対応がうまく処理されていることも考えられます。傾向として、50~60代の方はQLD州北部の物件を購入する傾向があり、若い年代層は手頃な価格の物件を求めて移住してくる傾向が見受けられます。
2021年の展望
モト:昨年の状況としては商業物件にテナントが入らず苦戦したものの、住居物件には明るい兆しが見えているということですね。現状を踏まえて、今後2021年はどんな年になると予想しますか?
グレッグ:これまで30年以上不動産業界に携わってきましたが、特に成長が活発になっているのを感じます。毎日多くのオークションが行われ、昨年11月と12月は同社において史上最大回数が行われました。今年1月のQLD州北部における調査を通じ、132回ものオークションを実施しています。こういった状況は、2021年前半まで続くと予想しています。
今後、新型コロナウイルスがどのような影響をもたらすのかは誰にも分かりません。先が見えない状況というのは、今年も続くでしょう。しかし、オーストラリアの不動産業界も、経済も引き続き成長していくだろうと確信しています。

■住所:Level 2, 50 Cavill Ave., Surfers Paradise
■Tel: 0414-760-682(担当:モト・ウォーターズ)
■Web: rwsp.net
■Email: m.waters@rwsp.net