ラグビー・ワールド・カップ日本代表登録選手発表会レポート

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ラグビー・ワールド・カップ・ニュース!

ⓒYANN COATSALIOU/AFP
ⓒYANN COATSALIOU/AFP

ついに先月から開幕したラグビー・ワールド・カップ(以下、RWC)に関する情報を紹介。8月末に 行われた日本代表の登録選手発表会の模様を、 本紙の連載「GO! ワラビーズ」の山田美千子氏に伝えてもらう。

緊張に包まれた日本代表メンバー発表記者会見
(文=山田美千子)

2019年8月29日、RWC日本代表の最終登録メンバー発表が行われた。直前の8月18日から行われた網走合宿に招集されたのは41人。ワールド・カップへの登録メンバーは31人。誰の名前が読み上げられるのか。男子15人制日本代表強化委員長の藤井雄一郎氏からのあいさつに続いて、ジェイミー・ジョセフ・ヘッド・コーチ(以下、HC)が話し始めると、会見場には緊張感が漂い始めた。日本代表のHCの就任会見を思い出しながら話し始めたジェイミーHC。いつもの温和な表情とは変わって、硬い表情に見えた。

日本代表メンバーを発表するジェイミー・ジョセフHC
日本代表メンバーを発表するジェイミー・ジョセフHC

選出理由に対して、ジェイミーHCは、個々の高いスキルは当然のことながら、複数のポジションをプレーできること、チームについて理解していること、役割の遂行力の高い選手を選出したと述べた。またSHが3人の選出になった理由として「(SHは)スペシャルなポジションであり、チームと戦術をよく理解している必要があるため」と答えている。確かに負傷者が出た場合、復帰まで短期間であればしのげるが、SHに関しては難しいだろう。

アタアタ・モエアキオラ選手の選出については、チーム事情のため、テスト・マッチではフロント・ランナーを使わざるを得なかったためアピール・チャンスが少なかったが、アタアタ選手は体も大きくパワフルであり、若く、成長が見込まれることが選出の要因となったという。

一方、網走合宿に招集されていたある若手選手は、本来のポジションはPRだが、代表チームとしてはHOとして期待されていた。しかしライン・アウトでのスキルとしては、やはりHOのスペシャリストである坂手選手や北出選手が上回っていたため、選出を見送られたという。

日本代表に限らず、代表選手決定までのプロセスには、さまざまなドラマがあり、選ばれる選手の側にも、選ぶ側のコーチ陣にも決断までには多くの苦悩がある。その決断はどんな結果を呼ぶのだろうか。

発表されたFW18人、BK13人の計31人は以下の通り。

ポジション 名前 所属チーム キャップ数
PR 稲垣啓太 パナソニック 28
PR 木津悠輔 トヨタ自動車 3
PR 具智元 ホンダ 7
PR 中島イシレリ 神戸製鋼 2
PR ヴァル・アサエリ愛 パナソニック 8
HO 北出卓也 サントリー
HO 坂手淳史 パナソニック 16
HO 堀江翔太 パナソニック 61
LO トンプソン・ルーク 近鉄 66
LO ヴィンピー・ファンデルヴァルト NTTドコモ 12
LO ヘル・ウヴェ ヤマハ発動機 13
LO ジェームス・ムーア 宗像サニックス 2
FL ツイ・ヘンドリック サントリー 44
FL 徳永祥尭 東芝 11
FL リーチ・マイケル 東芝 62
FL ピーター・ラブスカフニ クボタ 2
FL/No.8 姫野和樹 トヨタ自動車 12
No.8 アマナキ・レレイ・マフィ NTTコミュニケーションズ 24
SH 茂野海人 トヨタ自動車 9
SH 田中史朗 キャノン 70
SH 流大 サントリー 18
SO 田村優 キャノン 57
SO/CTB 松田力也 パナソニック 19
WTB 福岡堅樹 パナソニック 33
WTB アタアタ・モエアキオラ 神戸製鋼 3
WTB レメキ・ロマノ・ラヴァ ホンダ 11
CTB ウィリアム・トゥポウ コカ・コーラ 9
CTB 中村亮土 サントリー 18
CTB ラファエレ・ティモシー 神戸製鋼 17
FB/WTB 松島幸太朗 サントリー 33
FB 山中亮平 神戸製鋼 13
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