
シドニーを拠点とするサークルまたはコミュニティーの活動に編集部員が突撃し、取材を敢行。それまでなかなか発信しきれなかった活動の詳細や団体の魅力を紹介する。
第23回 コスプレ・ドローイング・グループ

毎月最終日曜日、午後1時から2時半に活動している「コスプレ・ドローイング・グループ」。今年で4年目を迎える同グループ主催者のバーンフィールド・伸子さんは、日本の大手雑貨メーカーやアニメ制作会社でイラストを担当していた経歴を持ち、1984年にアニメーターとして来豪。シドニーを拠点にアニメ・スタジオで仕事をしている。4年ほど前にコスプレイヤーの人と出会ったのをきっかけに同グループを立ち上げ、絵を描きたいという意思を持った人にモデル・デッサンの場を提供している。イベントなどにも積極的に参加し、現在ではグループの総メンバー数は200人ほどまで拡大した。日本のアニメやマンガがきっかけで絵を描くことに興味を持った人も多く、実際に日本に行ったことがあるという親日家のメンバーも在籍する。メンバーは多国籍のため、会話は英語で行われるが、手助けが必要な場合は伸子さんが日本語でフォローしてくれる。「大体の参加者が、アニメの話や絵を描くことを通してすぐに仲良くなるので私のフォローは要らなくなってしまいます」と伸子さんは話す。
参加人数は毎回20人程で、取材日も17人がセントラル駅から程近い、チッペンデール・グリーン公園に集まった。開始時間までは、絵を描く準備や雑談などをし自由な雰囲気だが、モデルが到着すると空気は一変。伸子さんの合図と共に、一気に集中モードへと変わり、黙々とスケッチを始める。スタイルに決まりはなく、角度を変えたりしながら各々鉛筆やカラー・ペンでスケッチを進めていく。中には水彩絵の具で絵を仕上げる人もいるという。“おしゃべりをしながらのお絵かき”ではなく、1人ひとりが真剣に絵と向き合っているという印象を受けた。途中10分間の休憩を挟むが、活動時間90分のほとんどがスケッチに費やされる。集中して絵を仕上げた後は、モデルに温かい拍手が送られ、その後は、メンバー同士で作品についてアドバイスなどをし合うのがルーティーンとなっており、話が盛り上がりそのままカフェに行くこともしばしばあるという。日曜日の人通りの多い公園で活動が行われているため、10代の若い学生でも安心して参加できるだろう。

メンバーの半分は美大生でその他は、趣味として絵を描きたいという16歳から60歳までの幅広い年齢層で構成されている。プロのアニメーターも数名在籍しているので、チャンスがあればアドバイスを貰ったりやスタジオ見学の機会ももらえるそうだ。「学生だったメンバーがプロとして活躍し始めたり、そういった成長を見るのが楽しいです」と伸子さんはうれしそうに話す。また、主催者の伸子さんは、絵を使ったチャリティー団体「Drawing for Charity」を立ち上げ、有志を募りチャリティー活動も行っている。「コスプレ・ドローイング・グループ」は、絵を通して自分自身、そして世の中をハッピーにしたいという人にとって掛け替えのない場所となるはずだ。(リポート:水村莉子)
PRメッセージ
コスプレ・ドローイング・グループ
主催者:バーンフィールド伸子さん
コスプレイヤーを囲んで5分間ずつポーズのスケッチをするグループです。メンバーは、アニメやマンガ好きの業界人・美大生など多岐にわたります。毎月新しい参加者を迎え入れて話も弾む和やかな会です。初参加の際に、自分で描いた絵を持ち込むことによって友達の輪が広がります。ワーホリや旅行者も出入りする流動性の高い会で、日本好きも多いです。モデル希望者も募集中! 興味のある人はEメール(cosplaydrawinggroup@hotmail.com)までご連絡ください。※参加には、モデルへの謝礼費として6ドル程掛かります。
シドニー市内を拠点とし、当コーナーでの紹介を希望するサークルまたはコミュニティーは、代表者氏名・団体名・活動内容・活動場所を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)までご連絡ください。また紹介団体については、非営利団体に限ります。