【サークル紹介】シドニー沖縄三線会

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サークル・コミュニティー紹介 in SYDNEY

シドニーを拠点とするサークルまたはコミュニティーの活動に編集部員が突撃し、取材を敢行。それまでなかなか発信しきれなかった活動の詳細や団体の魅力を紹介する。

第24回 シドニー沖縄三線(さんしん)会

シドニー西郊にあるリベスビー駅から閑静な住宅街を約5分ほど歩いたところにある一軒家に近付くにつれ、シドニー沖縄三線会の皆さんが奏でる三線の心地良い音色が聞こえてくる。

三線とは沖縄の伝統的な弦楽器だ。教えるのはホー紅美子さん。夫の仕事の関係で5年ほど前からシドニーに移住してきた。もともと三線教室を開こうとは思っていなかったが、「オーストラリア人のハナ・ムーアさんとの出会いがきっかけで発足することにした」と紅美子さんは言う。

外国語指導助手「ALT」として3年間沖縄に住んでいたハナ・ムーアさんは、沖縄の人びとと触れ合う機会を増やすため三線を習い始めた。結婚式でも祭りでも三線の音色に合わせ、人びとが踊りながら祝う沖縄の文化が興味深かったという。沖縄で大変お世話になった三線の先生への恩返しとしてシドニーに戻った後も、その良さを広めていくことに決めた。

メンバーの様子を見ながら三線を弾くホー紅美子さん
メンバーの様子を見ながら三線を弾くホー紅美子さん
この日集まった三線会のみなさん
この日集まった三線会のみなさん

2人が出会ったのは昨年の12月、シドニーで開かれた沖縄県人会の時である。ハナさんが紅美子さんに「三線会を作りたい」と話を持ちかけ、「オージーのハナさんが『三線会を作りたい』と言っているのに手伝わないわけにはいかない」と紅美子さんが協力する形で今年の2月に発足した。現在、メンバーはシドニーに11人、ウーロンゴンにも4人いる。

現在は、11月に迫る沖縄芸能音楽祭「くくる祭」に向けて三線の練習を週に2回、午後6時から8時の2時間の間、自宅を三線教室として開放している。

まず各人でチンダミ(調弦を意味する沖縄語)をした後に全員で一緒に音の高さを確認、紅美子さんが1人ひとりの音階を聞き分け調節し、全員の音階が合ったところで練習が始まる。

大阪府出身の森さんは「沖縄で仕事をしていた際に、同僚と沖縄民謡居酒屋に行って以来、三線に引きつけられて買い、自己流で練習をしていた」と話す。知人を通して三線会の存在を知ってからは、その一員として練習に励んでいる。参加者は日本人が多いが、オーストラリア人もいる。皆それぞれ違う場所で三線の音色に魅せられて集まったということで、年齢層や出身地もバラバラ。そこには上下関係はなく、分からないところをみんなで教え合う和やかな雰囲気が漂っていた。

オーストラリアの落ち着いた気候と三線の音色はまさに沖縄にいるような心地にさせてくれる。「沖縄に住んでいたころには当たり前に感じていた三線だが、シドニーに来て沖縄の音楽の力のすごさをいろいろな人に教えられた。皆で弾けるようになっていくことにやりがいを感じる」と話す紅美子さん。シドニーに来て、最初は1人で弾いていた三線を今は他の人とも共有できることを楽しんでいるそうだ。(リポート:宮城究、沖縄出身)

PRメッセージ

シドニー沖縄・三線会
主催者:ホー紅美子さん

11月10日に沖縄芸能音楽祭「くくる祭」があります。世界で3つしか選ばれないという都市に今回シドニーが選ばれ、私たちはそこで「かぎやで風」「安里屋ユンタ」「芭蕉布」「島唄」「マミドーマ」「豊年でーびる」を弾きます。実際に沖縄からプロの舞踏家や三線奏者、舞台演出家を招いて、三線だけでなく、空手、エイサー、琉球舞踊、獅子舞と沖縄の文化を感じられるパフォーマンスが盛りだくさんのイベントです。ぜひ足を運んで頂けるとうれしいです。問い合わせはsydneyokinawanclub@gmail.comまで。

シドニー市内を拠点とし、当コーナーでの紹介を希望するサークルまたはコミュニティーは、代表者氏名・団体名・活動内容・活動場所を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)までご連絡ください。また紹介団体については、非営利団体に限ります。

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