経済・金融危機やオーストラリア国内の失業率の悪化により、技術移住の審査が厳しくなるなどの悪影響は?

ビザあれこれ

第9回
ビザあれこれ

豪州で暮らす私たちにとって切っても切り離せないのがビザの問題。そんなビザを巡るさまざまな疑問について専門家が分かりやすく解説する。

Q: 私は2年前からオーストラリアへの独立技術移住を目指すようになり、英語試験の受験勉強を続けてきました。昨今の世界的な経済・金融危機やオーストラリア国内の失業率の悪化により、技術移住の審査が厳しくなるなどの悪影響は出ていますか。(41歳男性=ファイナンシャル・アドバイザー)

A: オーストラリアの経済が悪化しているのは間違いありません。その証拠の1つに失業率が増加傾向にあります。ここ1年の間(2008年2月~09年2月)に失業率が0.8%上昇しています。失業率の悪化は技術移住者の需要を減少させる大きな要因となります。具体的に言うと、失業率の悪化は移住者受入計画数や審査条件に影響します。

例えば、あなたが申請を予定している技術独立移住ビザを含む技術者の受入計画数について言えば、ほかの永住ビザとともに毎年の会計年度の初めに、その次の会計年度分の計画数が発表されます。昨年発表された今年度(2008/09年度)の技術移住者受入計画数は13万3,500でした。しかし、今会計年度が終わるあと3カ月というところで、本日(09年3月16日)、この数を11万5,000に減らすと発表がありました。残り3カ月間の受入数を減らす方法として挙げられているのが、今年1月1日に新たに施行されたCSL(クリティカル・スキルズ・リスト)から技術職をいくつか外すという方法です。

このCSLとは、雇用主や州・準州のスポンサーシップに頼らず個人で技術移住の申請をしてから、最も優先的に審査の順番が回ってくる指定技術職を載せたものです。CSLから技術職が削除されると、削除された技術職をビザ申請時に指定した申請者のケースは審査の順番が回ってくるのが遅くなり、結果として今会計年度内には決定に至らないかもしれません。配管工、溶接工、大工など、手職の技術者がリストから外される可能性が大です。一方で、IT、エンジニア、医療技術者には影響がないものと思われます。

また、受入計画数に関係のない雇用主からスポンサーを受けて申請する長期就労ビザの申請でも、今年の2月24日から法律が厳しく解釈されるようになり、雇用主がスポンサーシップを申請する際は、オーストラリアの経済事情や労働市場を注視しながらビザ申請者の必要性やビザ申請者がもたらす経済効果を訴えない限り、ビザ取得が難しい状況となりつつあります。


ビザあれこれ

飯田求(いいだ・もとむ)
Iida & Company Pty Limited

メルボルンで高校・大学卒業後、2002年10月から移住手続き認定代行業者として勤務。多種多様な就労・技術・家族・一時居住ビザや技術査定の申請代行実績を持つ。また、ほかの移住手続き認定代行業者にも専門的なアドバイスを提供している。
MARN 0213050 (移住手続き認定代行業者登録番号0213050)

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