第14回 長期商用ビザが却下されてしまいました

ビザあれこれ

第14回
長期商用ビザが却下されてしまいました

オーストラリアで暮らす私たちにとって切っても切り離せないのがビザの問題。そんなビザをめぐるさまざまな疑問について専門家が分かりやすく解説する。

Q: メルボルンで一時雇用している日本の本社から呼んだ技術者の滞在を延長しようと、先月、移住省にサブクラス457長期商用ビザを申請しました。ところが、ビザ発給条件の1つである会社の社員研修実績や育成計画が認められず、結局ビザ申請は却下されてしまいました。会社の業績に問題はなく、現地社員も多数雇用していることもあり、今までスポンサーシップが却下されたことはないので、どうしたらいいのか困っています。却下の決定通知には再審請求についての資料も含まれていました。この再審請求について教えてください。(48歳男性=会社役員)

A: 移住省が下したビザ申請却下やキャンセルの決定を不服とする申請者には、移民規則で定められている一定の制限期間内に移民再審審査局(Migration Review Tribunal)などのオーストラリア連邦政府の裁決機関へ再審を請求する権利が与えられています。

再審請求の結果、却下やキャンセルの決定が無効とされて、移住省に審査が差し戻されたり、あるいは移住省の決定を正しいと肯定する決定が下されます。  再審請求が可能なビザの種類は移民規則で定められており、主にオーストラリア国内でビザが発給されるオンショアと呼ばれる種類のビザやスポンサーが付くビザなどがあります。

ビザ申請中に提出しなかった、あるいは提出できなかった証明書類を新たに提出したり追加説明をすることで、移住省とは関係のない再審審査官が移住省とは内容の異なる決定を下すことがあります。

2007-08年度の移民再審審査局の統計を見ると、移住省の決定を肯定する決定率が36%なのに対し、50%もの決定率で移住省の決定が無効とされています。

長期商用ビザのケースでは、再審請求の申請から決定まで1年以上かかることもあります。その間に証明書類を作成あるいは収集することもできます。再審請求期間もビザ申請時に発給されたブリッジング・ビザで技術者を継続的に就労させることができるので、経営側にとってはメリットがあります。


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飯田求(いいだ・もとむ)
Iida & Company Pty Limited

メルボルンで高校・大学卒業後、2002年10月から移住手続き認定代行業者として勤務。多種多様な就労・技術・家族・一時居住ビザや技術査定の申請代行実績を持つ。また、ほかの移住手続き認定代行業者にも専門的なアドバイスを提供している。
MARN 0213050 (移住手続き認定代行業者登録番号0213050)

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