2年後には永住権を、と会社が約束。注意点は?

何でも相談

Q シドニーの食品関係の会社で働いています。昨年会社がロング・ステイ・ビジネス・ビザ(457)をスポンサーしてくれました。また2年後には雇用主指名永住権の申請を約束してくれています。その申請を成功させるには、この2年間私が注意すべきことは何でしょうか。アドバイスをお願いします。
(29歳会社員=女性)

A 以下は、質問者ご自身というより、質問者が無事にビザを得られるように、会社がやっていなければならないことです。

1.トレーニングの実施

豪州国籍者や永住者である従業員のためのトレーニング費用の支出義務はSBS(スタンダード・ビジネス・スポンサーシップ)の承認後も続きます。SBSの承認日から最初の12カ月はSponsorship Year Oneと呼ばれ、以降Sponsorship Year Two、 Sponsorship Year Threeと以下の義務が続きます。

・Training Benchmark A(Payrollの2%以上をTAFEや大学など訓練、教育機関に寄付)
・Training Benchmark B(Payrollの1%以上を豪州国籍者、永住者である従業員のトレーニング費用として支出)

2.記録の保管

給与の支払いの記録については特に留意が必要です。会社は、PayslipやPAYGは必ず発行、保管をしてください。給与は現金でなく、記録の残る銀行振り込みの必要があります。

3.通知の実行

特定の出来事が発生した場合、会社は必ずDIBP(移民国境警備省)に通知を行う義務があります。下記は比較的頻繁に起きる出来事ですのでご注意ください。28日以内の通知が必要です。

457ビザ・ホルダーの退職、離任
・457ビザ
・ホルダーの職務内容の変更
・ビジネスの住所、電話番号、メール
・アドレスなど、連絡先の変更
・新任取締役の任命(退任については不要)

4.雇用条件の義務の実施

457ビザ・ホルダーの給与その他の待遇は、同様の職場環境で同種の職務を履行する豪州国籍者や永住者に適用される給与その他の待遇と同等以上であることが義務付けられています。従って、Nomination申請時に明示されたBase SalaryとGuaranteed Annual Earnings(GAE)の支給の保証は言うまでもありませんが、会社は、毎年の定期昇給も検討されるようお勧めします。

5.永住ビザのNominationについて

サブクラス457のホルダーは同一スポンサー企業に2年間就労することにより、サブクラス186(ENS)[Regional Areaの場合は187(RSMS)]ビザの申請資格を得ることができます。上記永住権の申請の際には雇用主のNominationを必要とし、下記の書類を求められます。

・給与の支払い証明 …… 給与支払いごとに発行されるペイ・スリップ、給与の銀行送金記録、PAYG(Group Certificate)、(457ビザ・ホルダーの)ATO Tax Notice of Assessment

・トレーニング支出記録 …… 添付トレーニング・テーブル及び領収書、Sponsorship Year毎のトレーニング支出記録(添付トレーニング・テーブル及び領収書)

以上のように、あなたの会社が、DIBPが求めている内容をしっかり理解して実施しているかどうかを、会社と連絡を密にして確認し、永住権の申請を確実にしていくことが大切です。


山口 正人(やまぐち まさひと)
日本ブレーン・センター・オーストラリア

移住NSW大学オーストラリア経営大学院にてMBA(経営学修士号)を取得。投資銀行を経て、シドニーで日系のビザ・コンサルティング会社、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアを設立。著書に『オーストラリア・ビザ・ガイド』(アルク出版)など。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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