ビジネス・ビザ申請、マーケティング・スペシャリストについて

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Q 私は、ワーキング・ホリデー・ビザで、シドニーに4店舗を持っている大手レストランで営業の仕事をしています。社長に気に入られ、ビジネス・ビザのスポンサーになってくれるとの話です。社長は、私が大学で法学部を卒業し日本の会社で2年間営業の仕事をしていたので、マーケティング・スペシャリストで申請すればいいと言っていますが、それでよろしいでしょうか。
(29歳会社員=男性)

A ご質問は、サブクラス457: A LONG STAY BUSINESS VISAで、マーケティング・スペシャリストの職種でのビザの申請が可能かどうかについてのものと考えます。そのご質問には以下のようにコメントさせていただきます。

(1)移民局は、それほど規模の大きくない飲食業においてマーケティング・スペシャリスト(MS)が本当に必要なのかとの厳しい見解を待っています。サブクラス457の申請をできる職業が大幅に減っていく中で、一般事務職的な職種がMSだけになりました。そのため多くのホスピタリティー系の会社が事務職の方をMSで申請しているという、法律には適していない実態があります。またそのことを移民局が既に知ってしまっていることが、申請の査定をより複雑にしてしまっています。

よって、移民局は特に厳しく審査するものと理解しておく必要があります。ここで大切なのは、スポンサーする会社の規模がどれくらいの規模であるかが重要だということです。マクドナルドのようにオーストラリア国内に数百店舗を持つ事業会社と3〜4店の会社では、MSの必要性は明らかに違います。しかしながら移民法上は明確な規模の規定はありません。審査担当者の個人的な裁量権・判断が重要になってきます。

このため、判断にバラツキが多くなってしまいます。つまり申請する会社にとってはリスクが高いということになります。

(2)給与については、オーストラリア出身者のMSの年収6万4,000〜6万8,000ドル以上の平均賃金以上の基本給を受給する必要があります。基本給には、ボーナスは含まれませんのでご注意ください。

(3)MS職でビザを申請する場合は「関連学位(Degree level)または5年間の関連職種における経験」がビザ取得に必要な基準となります。

学位はマーケティング職に直接の関連はなく、ご経験は5年未満のため基準は満たせないはずですが、実際には同様のケースでもビザは発給されているようです。この点について以前疑問を持ち、Department of Immigrationの担当セクションに、「学位と経験は有しているが、双方とも基準値に満たない場合であっても総合的に判断して基準を満たすとみなすことが可能か」という問い合わせをしたことがあるのですが回答は「No」でした。

つまりMSの場合、ビザの申請者が関連学位を有するか5年間の経験を有することを、スポンサーが証明(Certify)することが求められているということになります。実際の運用としては、申請者の学歴と職歴を個別に見るのではなく、総合的に見て判断しているように見受けられます。結論:マーケティング職に関連のない学位と2年間の関連の職歴でも、推薦(Nomination)とビザの申請は可能ですが、審査官による個別判断となります。つまりこの申請はリスクが高いということをご理解ください。ただし却下された場合、MIGRATION REVIEW TRIBUNAL(MRT)にて再申請すれば、却下の判定を覆すことができる可能性は高いようです。しかしその結論が出るには6〜2カ月かかることもご承知ください。


山口 正人(やまぐち まさひと)
日本ブレーン・センター・オーストラリア

移住NSW大学オーストラリア経営大学院にてMBA(経営学修士号)を取得。投資銀行を経て、シドニーで日系のビザ・コンサルティング会社、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアを設立。著書に『オーストラリア・ビザ・ガイド』(アルク出版)など。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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