スキル・セレクトについて説明していただけますか?

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Q: 私は営業担当者として日系の会社にビジネス・ビザ(Subclass 457)のスポンサーをしてもらっている29歳の日本人の男性です。今年の7月1日より永住権の申請が大幅に変更になると聞いています。友人からスキル・セレクトという聞きなれない制度が導入されると言われました。詳しく説明していただけますか。

(29歳男性=会社員)

 

 

 

 

 

A: 質問をされた人は今年7月1日から実施される「Skill Select(スキル・セレクト)」という移民法上の新しい制度のことをお聞きになっているのだと考えます。このスキル・セレクトという新しい制度の詳細は、移民局からはまだ正式に発表されていません。正式な法律は、おそらく実施される7月1日の直近に発表されることと思いますので、その時に再度ご確認ください。私の説明は2012年3月に移民局から発表されたものが元になります。

オーストラリア政府が一般技術移住者制度を管理するにあたり、今回主な変更点となったのがこの「スキル・セレクト」の導入です。この導入により、オーストラリア政府はオーストラリアにおける経済界の需要を基に必要な人材や時期、またその人数を管理することができるようになります。その結果、移民局ではビザ申請過程の大幅な時間の削減や技術移住者の決定、および雇用見通しの向上につながると予想しています。

また、この制度の導入は、地方における技術者不足の問題解消にも役立ちます。スキル・セレクトでは移住希望者がオーストラリアの地方での居住、就業の希望を記載することができます。

スキル・セレクトの内容ですが、まず、オーストラリアへの移住を希望する申請者が、エクスプレッション・オブ・インタレスト(Expression of Interest=EOI)と呼ばれるものに必要とされる情報を記載し、オンラインで申請します。その後、申請者はオーストラリアの雇用主やオーストラリア州・準州政府から一般技術者ビザのノミネーションを受けるか、またはオーストラリア政府からビザ申請のためのインビテーションを受けることになります。技術独立移住、家族スポンサー付技術移住、州・準州スポンサー付技術移住、ビジネス・ビザ取得を希望する申請者は全員EOIの申請が求められ、ビザ申請を行うためのインビテーションを受け取ることが必須となります(※EOIに関しては、次号で詳しく説明する予定です)。

EOIの申請が認められた場合、スキル・セレクトからインビテーションを受けることになります。その後インビテーションが失効するまでの60日間にオンラインで有効なビザ申請を行います。インビテーションを2回受け取った後も有効なビザ申請を行わなかった場合、EOIはスキル・セレクトから削除されるので注意が必要です。

また、定員数よりも移住希望者の数が多いため、EOI申請者のすべての人がビザ申請を行うためのインビテーションを受け取れるとは限りません。認められなかった場合、申請したEOIは申請日から2年間スキル・セレクトにデータが保存されます。有効期限内は追加の資格や経験などを更新できますので、認定される可能性を高めることにもつながります。例えばこの期間に英語力を高めたり、職歴を長くして点数を上げることができます。

このスキル・セレクトの導入により、一部の申請者にとって永住権申請により長い時間がかかるようになることが予想されます。また手続きがより複雑化すると思われます。スキル・セレクトと、その導入と同時に新設されるEOI制度はそれぞれたいへん重要な関連があります。次回はEOIについての質問にお答えします。併せて7月1日の大幅な変更の全体がご理解いただけると思います。

 


 

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山口 正人(やまぐち まさひと)
日本ブレーン・センター・オーストラリア

NSW大学オーストラリア経営大学院にてMBA(経営学修士号)を取 得。投資銀行を経て、シドニーで日系のビザ・コンサルティング会社、 (株)日本ブレーン・センター・オーストラリアを設立。著書に『オース トラリア・ビザ・ガイド』(アルク出版)など。

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