日本人の私でも難民として永住権申請が可能?

Q 私はマーケティングを勉強している27歳の女性です。現在は学生ビザでシドニーに滞在中ですが、最近学校の友人から難民申請を行えば永住権の取得が容易だと聞きました。オーストラリアに長期滞在を強く希望していますが、日本人の私でも難民として永住権申請は可能でしょうか。アドバイスをお願いします。
(27歳学生=女性)

 

A 昨年オーストラリア移民国境警備省から、ビザに関連した詐欺が急増していると発表がありました。オーストラリアが非常に豊かな国であるということ、ヨーロッパや北米地域よりも比較的永住権が取得しやすいこと、などの理由により世界中からの永住権申請が続いています。このような状況を利用し、さまざまなビザの詐欺が多発しているようです。日本人に関連する詐欺の例としては以下のようなものがあります。

難民申請による永住権申請詐欺

東日本大震災直後に多く行われた詐欺です。震災により日本の家族や住居に大きな被害があった場合、難民として永住権申請が可能であると持ちかける手口です。同様の手口は過去にも阪神・淡路大震災発生後に多く見られました。

常識的に考えれば、日本人が難民申請できるとはなかなか思いませんが、同じ学校の親しいクラスメイトや友人から、「既に日本人で難民申請をして永住権を獲得した人がいる」などと話を聞かされて思わず信じてしまう人が過去にいらっしゃいました。

友人を通してビザ・エージェントに連れて行かれ、手付金や申請費用を払った人もいますが、この時エージェント側は領収書を発行しません。領収書を要求しても、「後日郵送する」などとごまかされ、結局受け取ることができません。結果、後日詐欺だと判明しても領収書がないのでお金を支払った証明ができず、裁判にもならなかったというケースもあります。

日本人が難民申請を行うことはまず現実的ではありませんので、このような話には十分注意をする必要があります。

恋愛詐欺

オーストラリアではディファクト関係による永住権申請が可能です。このディファクトとは日本ではよく「事実婚」とも訳されますが、同棲をしているカップルが結婚と同等の関係がある場合に、配偶者ビザを申請することができます。

その必要条件は、以下のようなものが挙げられます。

1)一定期間同棲していること
2)2人の生活のための共同名義の銀行口座があり、定期的・日常的に利用されていること
3)2人が金銭的に助け合った上でその関係が今後長く続く見通しがあり、社会的にもカップルとして認知されていること

しかし、ディファクト関係で永住権を申請してあげると言って、言葉巧みに日本人に近づく詐欺の常習犯がオーストラリアには数多くいます。

過去には「2人の家を買うために、数百万〜数千万円が必要だ」「2人の名義で新事業を立ち上げるため、運営資金を貸してほしい」と言われ、送金後に相手と音信不通になるというケースがありました。

もしそのような話を持ちかけられた場合には、十分に相手の身元調査を行う必要があります。少なくとも相手のパスポート、運転免許証、出生証明書を確認しましょう。

上記を心掛ければ、永住権取得を希望する日本人をターゲットにした恋愛詐欺師に簡単にだまされることはないと考えられます。


山口 正人(やまぐち まさひと)
日本ブレーン・センター・オーストラリア

移住NSW大学オーストラリア経営大学院にてMBA(経営学修士号)を取得。投資銀行を経て、シドニーで日系のビザ・コンサルティング会社、(株)日本ブレーン・センター・オーストラリアを設立。著書に『オーストラリア・ビザ・ガイド』(アルク出版)など。

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