スペシャルスクール 1
特別支援学校勤務の教育支援員で、知的障がい・自閉症児の母でもあるサエです。
教育支援員として、そしてスペシャルニーズの子どもの保護者として、特別教育支援について少しでも多くの方々に知ってもらいたい!と思っていたところ、ご縁もあり、この度メルファミ!さんで記事を書かせて頂くことになりました。
今回は「スペシャルニーズ」をテーマに、事前に用意して頂いた質問に答える形で書かせていただきました。
スペシャルニーズとは?
スペシャルニーズとは、訳すると「特別な配慮を必要とする(人)」というような意味ですが
「(様々な特性や症状により日常・社会生活や学習などに困難を有する人が、少しでも円滑に生活を送ったり学習したり出来るようにするために)必要な、特別な支援・配慮」と捉えてもらっていいかと思います。Additional Needs と言われることもあります。
スペシャルニーズというと、身体や知的障がい(ID: Intellectual Disability)、自閉スペクトラム症(ASD)の人への支援を思い浮かべる方が多いかと思いますが、それらに限らず何らかの慢性疾患や精神的障がいのある人、そして診断は下りていないけれども生活や学習などに困難を抱えている人(所謂グレーゾーンの人)への支援・配慮も含むものです。
スペシャルスクールとは何ですか?
スペシャルスクールとは何らかの障がい・特性のある生徒が通う特別支援学校のことで、Special Education School や Specialist School とも呼ばれていて、大多数は公立校です。
(公立校と私立・独立校では特別教育支援のシステムが違うのですが、ここでは公立校の話をさせていただきます。)
スペシャルスクールにはどのような方が入れるのですか?
特別支援学校に入るための大前提は「必要とされる複数の検査を受けて障がいの診断が下りており、尚且つ検査結果の数値が規定以下の数値であること」です。
スペシャルニーズは誰が何をもって審査するのですか?認定された子どもだけが行けるのですか?
障がいの診断は、医師(小児科医)と言語聴覚士、心理士などの複数の医療従事者が行う検査や診断を総合して、最終的には医師が診断を下します。
診断名と検査結果の内容から、特別教育支援を受けるための補助金のカテゴリとレベル等が決まり、それによって入れる特別支援学校が変わります。
特別支援学校の大半を占めるのは、IDの補助金のカテゴリに入る生徒のための、ID専門の特別支援学校で、その中でもIDの程度(軽度・中度・重度・最重度)により学校が分かれています。
ID以外にもASD、身体障害、視覚障害、重度行動障害、等のカテゴリがありますが、ASDとID、など複数の診断が下りている生徒は入学を希望する学校が受けられる補助金カテゴリに合わせて、どのカテゴリの補助金を申請するのかを決めることになります。
入学基準は各特別支援学校によって違うので、希望する学校の入学基準を確認する必要があります。多くの学校はホームページに基準を載せているのでそれを参考にしたり、直接問い合わせるのがいいかと思います。
公立の特別支援学校の学区
公立の特別支援学校の学区に関して付け加えておくと、一応学区的なものはありますが、それはバス通学(補助金が出るので保護者の金銭的負担はなし)を希望する生徒がバスを利用出来るかどうかのためで、保護者が送り迎えをするのであれば学区外からでも通うことは出来ます。
(一方で入学希望が殺到していて予約待ちのある特別支援学校では、学区外に住んでいると入学の優先順位が低くなることもあるそうです。)
但し、通学は平日は毎日のことであること、そして特別支援学校の学区はメインストリーム校(普通校)よりも広くなりがちなこと(学校数が少ないので)を考えると、毎日の遠方への送り迎えは保護者の負担になりかねません。
そのことから我が子により合った特別支援学校を求めて違う地域へ引っ越しをする家庭もあるという話も聞きます。
次回は、特別支援学校が他の学校と違う点、またはサポートの違いなどは?などのお話になります。
著者
サエ
教育支援員 Classroom Education Support/Learning Assistant。ベビーマッサージ講師を経て、自閉スペクトラム症(ASD)専門の特別支援学校に勤務する三兄弟の母。三男にASD/知的障がい/ADHD/病理的要求回避(PDA)有り。音楽とダンスが大好きで、生きがいはライブ参戦。
Web: https://ameblo.jp/happiemum
X: https://x.com/starlight11x