Education Systems Q&A AUS教育システムのしくみ
日本とは異なる教育システムに戸惑うママ&パパの疑問・質問に専門家がズバリお答えします。
英語力を向上させる
Q: 小学校高学年の子どもが2人います。来豪して2年が経ち、英語もだんだん上手になってきました。まだまだ自由自在に話すことは難しいですが、簡単な日常会話であれば少し自信を持ってできるようになっており、本人たちも楽しくなってきているようです。今後、学校の勉強以外で、語彙(ごい)を増やしたり、会話力を高めるための良い方法はありますか?
今回は教育システムに関する内容ではありませんが、頻繁に尋ねられる質問を取り上げてみました。ご相談者のお子さんたちは、来豪2年で高学年ということなので、小学校中学年の時に来豪したということですね。いきなり英語の世界に入って大変だったことでしょう。
オーストラリアの学校は、英語ができない子どもたちへのサポートがあり、取り出し授業などをしてくれます。しかし、学校だけではなかなか上達しないこともありますよね。
方法の1つとしては、実践の機会をたくさん持って、成功体験をさせてあげることだと思います。
学校で読んだり、書いたり、聞いたりする機会はたくさんあると思いますが、英語を使って試す機会は、面倒見の良い友達でもできない限り、積極的に行わないとなかなかできないのではないでしょうか。そこで、学校外で英語を使う機会をなるべくたくさん作ってあげましょう。英語で習い事、ショッピングや旅行の時などにスタッフと会話をさせてみる、ボーイ・スカウトなど学外活動への参加などは、いかがでしょうか。
そして、やはり本を読むことが大事です。
薄い本でも良いので、興味のある分野のものを選びましょう。スポーツが好きなら、そのスポーツのルール・ブックでも良いですね。「DKシリーズ」や「Australian Geography」などのファクトブックなどもレベルごとに分かれているので、自分のレベルに合わせて選ぶと良いと思います。既に知っているストーリーの英語版、例えば日本の昔話や映画のスクリプトなどもお薦めです。少し厚めの本にチャレンジしてみようと思うお子さんなら、大人用に出版されている本の「Student edition」が、文章は易しくても内容的に大人の物と同じなので満足できるはずです。英語力が低くても、高学年やハイ・スクールの生徒に子ども向けの絵本ばかりでは、年相応の語彙が増えないので考慮が必要です。
ABC放送のBTN(Behind the News)のtranscriptも、時事問題を知ることができて一石二鳥ですよ(Web: www.abc.net.au/btn/classroom/aussie-news-2018/10611550)。
内野尚子(うちのなおこ)
96年よりシドニー在住。11年間ローカルの幼児教育機関で教師「Authorized Supervisor」を務める。元日本語補習校代表兼教師。幼児から大人のための学習教室「Universal Kids」代表。「Universal Kids」やNPO日豪教育サポート・グループを通して、在豪日本人のための現地教育のシステムや、バイリンガルなどの教育の情報共有に努めている