断捨離ですっきり心を整えよう　整理･整頓！上手な収納法でお片付け①

日本では近年、不要な物を減らし生活に調和をもたらそうとする思想である「断捨離」という言葉が定着するほど、整理･整頓や上手な収納を含む片付け法が注目されている。また、“こんまり”こと近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』は、日本だけでなく世界各地でヒットし、ミリオン･セラーとなった。今年1月からは、動画配信サービス「Netflix」で彼女がアメリカの家庭を訪問し、こんまり流の片付け術を伝授し、心地良い空間作りを手伝うというリアリティー番組がスタートし、世界中で話題となっている。

さまざまな物が手軽に購入できる現代、必要以上に身の回りに物が溢れている中、上手に片付けて快適な住居で暮らしたいと思う人は多いのではないだろうか。日本では、整理収納アドバイザーなどの資格が存在するほど、豊かな暮らしに必要な家事能力の知識･技術･経験の質を高めるために学ぶ人や、資格を取得しプロフェッショナルとして活躍する人もいるという。

家族が増えるにつれ、また子どもの成長によって物は増えていく傾向にあり、多くの人は片付けたい気持ちがあっても、どこから手を付ければ良いのか分からないため、そのままになってしまっているのではないだろうか。引っ越しや新生活スタートのタイミングで行うのは絶好の機会だが、仕事や子育てなどで忙しい日々の生活の中で、時間がある時にしようとつい後回しになってしまいがちな片付けは、思い立ったらすぐにでも始めよう。1人ではなかなかできない作業なので、家族の助けや、片付けのプロフェッショナルの力を借りるのも良いのではないだろうか。

まずは、自分の所有物やその量を把握することが大切だ。購入したことすら覚えていない衣服がクローゼットから出てきたという人は少なからずいるだろう。いつか使うだろうと思い何年も取ってある物もたくさんあるのではないだろうか。例えば食器や洗剤、缶詰の保存食など安いからといって買い置きしたことを忘れてしまい、戸棚の奥底に眠らせてしまってはいないか。まずは住居のエリアごとに収納してある物を全て1カ所に出し、要る物と要らない物を選別してみよう。不要物は、ごみとして廃棄する物とリサイクルできる物に分けると良いだろう。リサイクルできる物は寄付として手放すか、売却するという手もある。本稿で、主にオーストラリアで不用品を回収してくれたり、リサイクルできる団体を紹介するので参考にして欲しい。

不用品を売却する際、ビンテージ･ショップに訪れたり、ウェブサイトなどを利用するのもお薦めだ。事前登録が必要なものや、商品の購入時は発生しないが、販売時には手数料が掛かる場合もあるので注意しよう。

片付け上手になるということは、無駄遣いが減るという経済的メリットに加え、片付いた空間は生活する上で心にゆとりを与え、気持ちを前向きにしてくれるという精神的メリットもある。何か商品を購入する際は、自分が心地良く好きだと思える感覚を最優先にし、「流行ってるから」「安いから」といった基準だけで物を買うことも自然となくなっていくのではないだろうか。好きな物を長く使い、物を大切にし、余計なごみを増やさないというエシカルな価値観も生まれてくるだろう。必要な物だけに囲まれた、快適な住空間での暮らしを手に入れよう。