長期にわたり豪州不動産販売のアドバイスやサポートを手掛けるGIM Capital Professional Pty Ltdが豪州不動産市場の動向や情報を分かりやすく解説。
2023年明けましておめでとうございます。数年続いたパンデミックの影響後、今年こそは皆様にとって幸多き1年になるように、心よりご祈念します。
日豪プレスの不動産コラムの掲載を振り返りますと、昨年は、日本人に共通しがちな、不動産を買いそびれる理由について解説してきました。そこで今年は心機一転、オーストラリア不動産を購入すべき理由、購入を希望している方々の理由についてご説明したいと思います。
住まいとして、また税制に役立つ投資対象として、オーストラリア不動産を購入したい人が多いわけですが、オーストラリア国内はもちろん、日本にいる投資家の方々が期待するその内容について、特徴となる点をご紹介します。
特に日本政府が投資を推奨しているという背景から、不労収入資産を築いて収入増加に役立てるケースは日本からの投資家に多く、現在、オーストラリア不動産の注目度は通常よりも高いと言えそうです。
在住者における不動産保有の利点とは
オーストラリア国内に暮らす人びとが不動産を保有する利点として、まず本来の目的である自身の「住まい」を手に入れられることが挙げられます。安定した社会生活を送るためには、住居は決して欠くことができない生活の基盤です。しかし、史上最高に上昇した2021年の物件価格によって、オーストラリア不動産は購入することが更に困難になりつつあります。
購入者が減少するということは、既に購入済みの不動産保有者に有利に働きます。賃貸物件が供給不足に陥ることで、空室率はついに0.8%(22年10月発表)までになり、現在、究極の貸し手有利な状況となっていることが分かります。
では、なぜここまでの住宅不足になるのでしょう。その理由は構造的な特徴から来ています。
右の表が示す通り、オーストラリアではコロナ禍下であっても出生数が死亡者数を上回るという「自然増加」によって人口は確実に増え、更に国交回復の安定化により今年は海外からの流入者の増加も予測されています。居住者の平均年齢が38歳以下と若いことも自然増加を促す基盤であると言えるでしょう。
その他の要因として、オーストラリアの特徴である「都市集中型」社会が挙げられます。米国と比較しても、アラスカを除けば面積はほぼ同じと言われる広大な国土を誇りますが、都市として生活基盤が築かれているのは、オーストラリア全土ではありません。
22年12月の人口は豪州統計局発表で2,600万人を超えていますが、全人口の80%が沿岸部に集中。5大都市の人口の合計は63%に至り、実に全人口の半数以上が都心部に暮らしています。その結果、広大な土地を有する国でありながらも住居として選べるエリアが限られており、そのために住宅の取り合いになる状況が避けられないのです。
そして、法治国家として資産を健全に保有するための法整備が頑強であることも特徴の1つです。賃貸物件は1年または半年契約で貸し出しすることが一般的ですが、管理会社が半年に1度行う内覧で、物件内部に破損がないかどうかを写真撮影し、物件オーナーに送ります。
日本にはない管理方法であり、これらのオーナー優位な社会状況を背景とし、資産を安定し
て保有することが実現しやすいのです。
日本からの購入の理由とは
投資家からは、先進国の中でもオーストラリアは、キャピタル・ゲイン(物件価格上昇)とインカム・ゲイン(家賃価格上昇)の両方を享受できる「ダブル・ベネフィット」が実現する国として有名です。遠隔地からでも資産構築の管理がしやすい、時差がなくコンタクトを取りやすい、治安が良く安全、収入が高い、教育水準が高いなど、投資先として豪州を評価する日本の賢い投資家は多く、好評を博しています。
その他、物件の頑強さや品質監査の厳しさ、デザイン性の良さからも、安定性のある堅実な投資として評価されています。これらの特徴に加え、日本と大きく異なる物件オーナーが有する権利の優位性を感じる投資家は、実情を知る人ほど、オーストラリア不動産の投資を堅実な不労収入として魅力を感じているでしょう。
国内での爆発的マイホーム購入者需要
では、物件価格の上昇と住宅不足から賃貸を選択している国民が、上昇する家賃に苦しむしかないのかというと、政府はその対策として初めての持ち家希望者向けの施策を23年1月から更
に強化しています。
また、投資不動産を保有することで所得税の一部還元が実現するために、その手法を賢く利用する投資家も多く、過去の値上がりで資産価値が増したことを担保として利用し、更なる資産構築を実行する方法があります。
今後の動向を予測する
今後も法定金利の上昇が見込まれており、その結果、不動産価格が下がる可能性があるので、購入しやすくなると予測される一方で、土地価格、建築部材費用、建設費用、人件費は更に値上がりを続けているため、今後開発される物件が安価に建てられる要素は低いとも言われています。
23年も目が離せない状況ですね。安全な不動産購入のために専門家の意見をご参照ください。
鶴美枝
グローバル・インテリジェンス・マネージメント代表。創業2010年以来、豪州各地の優良不動産を厳選し、豪州及び日本在住のホーム・オーナー若しくは投資家の方々の購入をサポートし資産増幅、理想の住まいの確保に日々尽力中。日本と豪州にて法学部大学院卒業。豪州不動産フルライセンス保持。