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巨大蜘蛛、NSW州立美術館に現る!/NSW州立美術館ボランティア・ガイド便り

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執筆者=浜田千恵/NSW州立美術館日本語ガイド

Installation of Louise Bourgeois ‘Maman’ at the Art Gallery of New South Wales, November 2023, photo © The Easton Foundation/Art Gallery of New 

 NSW州立美術館南館(本館)前に、オーストラリアで初公開となる巨大な蜘蛛のオブジェが現れました。高さ9メートルもある巨大蜘蛛は、大きな美術館をも飲み込んでしまうような迫力があります。この蜘蛛は世界的なアーティスト、フランス出身のルイーズ・ブルジョワの作品です。

月岡芳年「新形三十六怪撰 源頼光土蜘蛛ヲ切ル図」1892 woodblock print; ink and colour on paper, 36.5 x 24.5 cm, Art Gallery of New South Wales, Yasuko Myer Bequest Fund 2019

 蜘蛛と聞くと、気持ち悪いと感じる人は少なくないと思います。日本では古来より、蜘蛛は「妖怪」として描かれることが多く、蜘蛛退治を描いた日本の浮世絵が、南館アジア・ランタン・ギャラリーで展示中です。フランスの蜘蛛へのイメージは日本とは違うのかもしれません。美術館に現れた巨大蜘蛛は、ブルジョワの母親への賛歌を表現しているそうです。

 現在、北館(新館)では、この巨大蜘蛛を制作した「ルイーズ・ブルジョワ展」が、また南館では、抽象絵画の先駆者である「カンディンスキー展」が、それぞれ開催中です。どちらもオーストラリアでは最大規模の展示となる、2人の芸術世界をお見逃しなく。

Vasily Kandinsky ‘Composition 8’ July 1923, oil on canvas, 140.3 x 200.7 cm, Solomon R. Guggenheim Museum, New York, Solomon R. Guggenheim Founding Collection, by gift, photo courtesy Solomon R. Guggenheim Foundation

 NSW州立美術館では、訪れる度に新しい作品に出合えます。作品の解説を読んだり、ガイド・ツアーに参加したりすることもお勧めします。異なる視点から鑑賞することで、きっと新たな発見があるでしょう。

 北館が2023年12月にオープンしてから1年。この間、多くの人が来訪し、日本語ガイド・ツアーにも参加いただきました。

 2024年も、心を柔らかくし、多様なアートに触れてみてはいかがでしょうか。皆さまのご来館をお待ちしております。

「カンディンスキー」展

日程:開催中~2024年3月10日(日)
会場:南館(本館)地下2階
入場料:大人$35
【カンディンスキー展の無料日本語ガイド・ツアー】
会期中の日曜日(2024年1月21・28日、2月4・11・18・25日、3月3日)11AM~
Web: www.artgallery.nsw.gov.au/whats-on/events/japanese-guided-tour-kandinsky

「ルイーズ・ブルジョワ」展

日程:開催中~2024年4月28日(日)
会場:北館(新館)地下2階及び地下4階タンク・ギャラリー
入場料:大人$35
【ブルジョワ展の無料日本語ガイド・ツアー】
会期中の日曜日(2024年3月10・17・24・31日、4月7・14・21日)11AM~
Web: www.artgallery.nsw.gov.au/whats-on/events/japanese-guided-tour-louise-bourgeois

南館(本館)ハイライト・ツアー

日時:毎週金11AM~
❈2023年は12月15日が最終日、2024年は1月12日から開始
Web: www.artgallery.nsw.gov.au/whats-on/events/japanese-language-tours-south-building

北館(新館)ハイライト・ツアー

日時:毎週日1PM~
❈2023年は12月17日が最終日、2024年は1月14日から開始
Web: www.artgallery.nsw.gov.au/whats-on/events/japanese-art-highlights



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