法律相談室/映画『IT』よりも怖いホラー・ハザード?

知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第60回 映画『IT』よりも怖いホラー・ハザード?

待望の不気味なピエロの恐怖映画『IT』(イット)の続編『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』が、オーストラリアで2019年9月5日に公開されました。映画を最後まで見る勇気はありましたか? 私自身何度か目を反らすシーンがありましたが、そんな中あることに気が付きました。ホラー映画の主人公は大抵怪物が彼らに迫って来るとなぜか何かにつまずいて地面に倒れるということです。

つまずき、スリップ、転倒は重傷につながる可能性があります。「現実の世界」では、近所に潜んでいる子どもを食べる不気味なピエロを恐れる必要はありませんが、以前コラムで取り上げたような不十分な造りの階段、滑りやすい床、更にはショッピング・センターの床に落ちている脂っこい揚げたてポテトなど身近にある些細な危険に注意する必要があります。

では、転倒してしまったらどのようにしたら良いのでしょう。まず始めにけがの状態を確認するために医療援助を求める必要があります。必要な治療については、医師の指導を受けてください。同時に、あなたが不幸にもけがをしている場合、自分の持っている権利を十分に把握するために、オーストラリアでは人身傷害弁護士に連絡することが一般的です。

オーストラリアでは、法律は州ごとに異なりますが、一般的な経験則として、自分以外の誰かの過失の結果としてけがをした場合には、そのけがに対する補償を請求することができます。

例えば、オーストラリアの最低基準に基づいて造られていない階段で落ちた場合、階段の所有者に対して申し立てが行われる可能性があります。階段を上り降りしている時に携帯電話を見ていたり、ゴム草履のような安全性の低い靴を履いてたりといった場合は、自身でけがを引き起こした可能性があるので請求できる補償額は減るでしょう。

しかしこのような隠れた危険があなたの転倒を引き起こした、または少なくとも寄与したということを証明することが必要ですが、ほとんどの場合、弁護士によって手配された転倒傷害の専門家による報告を通して行われます。事故が誰か(あなた以外)の過失であることが証明できたら、痛みや苦痛、経済的損失(過去および将来において)などのけがを補償するための請求金額を設定することができます。

弊社では、28年にわたる経験の中で、転倒が原因で手足の骨折や脊椎の骨折といった重傷を負ったケースを数多く目にしました。日常の危険性を過小評価しないようにしましょう。


エマ・オブリー
豪州弁護士。2015年6月MBA法律事務所入所。英日バイリンガルを生かし、同所の日本語部門で、交通事故や労災の負傷者の法律相談に日本語で対応する

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