法律相談室/チケット転売詐欺

知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第65回 チケット転売詐欺

大好きな歌手のコンサート・チケットが即完売でがっかりという経験はありませんか? 更にショックなのは、転売サイトなどの二次流通サービスを通してやっとの思いで入手したチケットが偽物だった時ではないでしょうか。先日アデレードで行われたエルトン・ジョンのコンサートで、約200人のファンが詐欺でつかまされた偽物チケットを持っていたため、会場に入ることができませんでした。

チケットは一次市場、豪州でしたらTicketekやTicketmasterのような公認チケット・ショップで販売されます。イベントによっては数時間、中には数分で売り切れてしまうものもあり、そこで買えなかった人たちは二次市場でチケットを探すことになります。二次市場においてチケットは値上がりし、詐欺に遭うこともありますが、二次市場のチケット・ショップはおおむね法律の範囲内で運営されています。とは言うものの、エルトン・ジョンのコンサート・チケット詐欺騒動を受け、SA州消費者センター理事は「Viagogo(※偽物チケットが販売されていたサイト)を利用しないように」としています。NSW州では多くの場合、チケットの元値+10%増し以上の価格(取引手数料除く)でのリセール(転売)は違法です。また、チケットの転売には、“偽造”や“価格のつり上げ”といった問題もあります。

現代のテクノロジーを利用すれば、チケット偽造は簡単にできます。特にE-ticketは一度に何枚も偽造できます。もし、転売サイトで偽造チケットをつかまされてしまったとしても、そのサイトに法的責任はありません。サイトが直接偽造チケットを発行したわけではなく、単にリセール・チケットの売買契約を仲介しただけだからです。また、SNSはチケット詐欺の温床ですが、詐欺を疑うべきヒントの1つに、不自然な英語が挙げられます。例えば“Who is interested in buying ticket at cheaper rate?”や“3 tickets for sale at good cheap price.”など。もう1つのヒントは、多くの詐欺師たちは、あらゆるイベント・チケットに同じメッセージを発信しているので、問い合わせにはどのチケットが欲しいか明記せよとの指示があります。例えば“I have 3 tickets, DM if you’re interested, Plz clarify your message.”などです。また、“Only 2 left on this site”のように書いて、あたかもその会場の残席がごくわずかであるかのように思わせることもあります。チケット残数に関するこうしたコメントにはくれぐれも注意しましょう。

元値で正規チケットが欲しい人は、イベントのプロモーターや会場に事前登録したり、クレジット・カード会社や航空会社が提供している会員のための優先予約サービスを利用すると、入手できるチャンスが増えるでしょう。二次市場でチケットを買う場合は、元のチケットを破棄してあなたの名前が入ったチケットを再発行してくれる仲介業者を選びましょう。


ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として25年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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