第20回 オーストラリアでの住宅購入について

日豪プレス法律相談室

 

第20回

オーストラリアでの住宅購入について

 

Q: オーストラリアでの住宅購入契約の流れを教えてください。
 

A: 今回は、契約後の手続き、特にQLD州での標準契約についての流れをご紹介します。
 

クーリング・オフ期間

QLD州不動産協会指定(Real EstateInstitute of Queensland=REIQ)の標準住宅売買契約書において、5営業日のクーリング・オフ期間が設定されています。クーリング・オフ期間中は、買い主はいかなる理由でも契約を解約することができますが、売り主は購入金額の0.25%の違約金を買い主に請求することができます。

 

建物、害虫、スイミング・プール・インスペクション

標準住宅購入契約書では、一般的に買い主はインスペクションの期日(Inspection Date)までに、ライセンスを保持しているビルダーにより物件のインスペクションを実施してレポートを取得し、レポート内容に納得のいかない場合は契約を解約する権利があります。レポートの内容によっては、決済までに売り主が修理する旨を交渉したり、修理の代わりに購入金額から修理費用としていくらか差し引くなど、交渉することも可能です。

 

ローン取得

ローンを組んで物件を購入される場合は、融資取得期日(Finance Date)までに買い主が納得のいく融資が取得できない場合は、契約が解約できるという条項が契約書に含まれているかどうかを確認することが重要です。

 

調査(Searches)

REIQ指定の標準契約書では、買い主は物件に関するさまざまな調査を実施する権利があります。例えば、地方役所の記録調査(Rates search)、ボディー・コーポレートの記録調査(アパートなど集合物件の場合)、そして土地税(Land tax)の調査は、売り主に未払いの地方税(Rates)・水道代・管理組合費用・土地税がないかを確認するために非常に重要です。決済後は、決済日前に発生した費用や税金であったとしても、不動産所有者として買い主が未払金の支払いをする責任があるからです。

 

決済(Settlement)

決済日には、購入金額残高が小切手で売り主に手渡されます。それと同時に、売り主は権利譲渡書と、もしあれば売り主の抵当権(Mortgage)の解除書を買い主に手渡します。不動産エージェントは決済完了の通知を売り主・買い主(通常はその弁護士)の両者から受け取り、受領次第、家の鍵を買い主に渡し、デポジットを売り主に支払うことができます。

上記は一般的な情報であり法的アドバイスではありません。個別の案件に関しましては、当方事務所までお問い合わせください。


中山渚央里
2009年に弁護士資格を取得。リトルズ法律事務所所属。主に商事案件・会社法・不動産業務を専門に担当している。
 

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