PPSRについて

日豪プレス法律相談室

 

PPSRについて

 

Q:「The Per sonal Property Securities Register」とは何ですか?
 

A:「The Personal Property Securities Register(PPSR)」とは、不動産や一部の例外を除く財産権(Personal Property)に設定される担保権の登記簿です。この登記簿は、これまで連邦政府、各州・準州独自で異なっていた担保権に関する法律を、全国的に統一する目的で開始した「The Personal Property Securities Act 2009(Cth)=PPSA(財産権担保法2009年)」とともに2012年1月に導入されました。登記簿は、オンライン上で登記・管理・検索することができます。

■消費者への影響
 担保権とは一般的に、ローンの返済や契約の義務履行を確保/担保するために設定する権利のことを言います。例えば、ローンを組んで車を購入した場合、そのローンを完済するまで、銀行や金融会社は車に担保権を設定するのが通常です。返済不履行の場合、銀行や金融会社は、債権を回収するため、車を差し押さえることができます。
 そのため中古自動車やボート、高価な中古品(例:絵画)などを購入する際は、PPSRを検索し、第三者がその品物に既に担保権を設定していないかを確認することが重要です。もし返済が完了していなければ、その第三者の債権者がその品物を回収できる可能性があるからです。

■ビジネスの購入を考える場合
 ビジネス購入の際もPPSRを検索することが重要です。売り手の銀行や金融会社などが、購入するビジネスに含まれている事業資産(機械やストックなど)に対して担保権を設定している可能性があるからです。もし、担保権がPPSRに登記されている場合は、ビジネス売買の決済の際に、適切な担保権解除を売り手より受領することが重要です。

■ビジネス経営者の場合
 顧客へ商品をリースしたり出荷する際、商品は先に納品するものの、万が一代金が支払われない場合に商品を回収できるように、顧客が代金の支払いを完了するまでは、商品の所有権を顧客へ移さない、というシステムを取っているビジネスは数多くあるかと思います。
 PPSAの導入以後は、例え売買契約や取引条件に「買い手は支払い完了まで所有権を取得しない」と明記してあった場合でも、第三者の銀行や金融会社が、納品した商品を含む顧客の資産に対して財産担保権をPPSRに登記していた場合は、その顧客が破産や倒産した際に、納品した商品を回収する権利を失う危険性があります。

上記は一般的な情報であり、法的アドバイスではありません。


中山渚央里
2009年に弁護士資格を取得。リトルズ法律事務所所属。主に商事案件・会社法・不動産業務を専門に担当している。

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