商業用賃貸物件のリース契約

日豪プレス法律相談室

 

第26回

商業用賃貸物件のリース契約

 

Q: ビジネスを経営するのに賃貸物件を探しています。良さそうな物件が見つかりましたが、どのようにリース契約書の交渉を進めればいいのでしょうか? また、どのような専門的アドバイスが必要ですか?
 

A: 基本合意書

商業用賃貸物件には、小売店(例:食料品・日用品店、レストラン、カフェ)、商用リース(例:倉庫)、事務所など、さまざまな種類がありますが、正式なリース契約書の前に締結される、基本合意書(Letter of Offer、Letter of Intent、Heads of Agreement、Agreement to Leaseなどと呼ばれます)に署名する前に、弁護士より専門的アドバイスを受けることを強くお勧めします。 

例えば、お店のフィット・アウト工事費用の融資や、店舗の開発許可申請がまだ審査中で、正式なリース契約のオファーを取り下げる可能性がある場合、基本合意書が融資の承認や開発許可の取得が条件となっている旨を確認する必要があります。 

また、リース契約が署名される前であっても、工事のための物件の占有、賃料の支払い、営業の開始など、行動によって、リース契約が成立したと見なされる場合もあります。

リース契約の条件交渉と専門家のアドバイス 

物件所有者より「標準リース契約書」として、リース契約書を提示される場合がありますが、そのままの条件でリース契約書に同意する必要はありません。さらに、どのリース契約書も基本的に同じという想定はできません。 

弁護士に相談し、リース契約の条項やリスクに関するアドバイス、テナントに不利な条項や一般的でない条項の指摘、そしてテナントの状況に合った条項の交渉を依頼することをお勧めいたします。 

リース契約上の金銭的義務や、ビジネスのキャッシュ・フロー予測、税金などについて、ファイナンシャル・アドバイザーや会計士からアドバイスを受けることも大切です。また、ビジネスを立ち上げる人は、事業形態(会社、トラスト、個人など)およびリース契約の名義についても会計士や弁護士からアドバイスを受けることをお勧めいたします。 

さらに、リース契約上の保険に関連する条項について、保険会社やブローカーに相談し、リース契約上加入が必要とされている保険の確認、そしてそのほかに加入を検討すべき保険について確認することもお勧めします。 

上記は、リース契約に関する一般的な情報であり、法的アドバイスではありません。顧客の個々の状況、ニーズを考慮した専門家による法的アドバイスを受けることをお勧めします。


中山渚央里
2009年に弁護士資格を取得。リトルズ法律事務所所属。主に商事案件・会社法・不動産業務を専門に担当している。

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