不動産購入時のオフ・ザ・プラン契約

日豪プレス法律相談室

 

第28回

不動産購入時のオフ・ザ・プラン契約

 

Q:不動産購入を考えています。オフ・ザ・プラン(Off the plan)と呼ばれる契約をよく聞きますが、どういった契約のことを言うのですか?

 

A:「Off the plan purchase」とは、まだ完成していない建物を購入する契約を言います。建物の完成前に契約を締結することから、建築完了までに起こり得る不測の事態に備えて、オフ・ザ・プランの契約はより複雑になっています。

まず契約書には、開示書(Disclosure Statement)が添付されなければなりません。開示書には、分譲または建設完了後の各物件の完成予定図、物件の仕上がり予定の詳細、管理組合の規定案、管理組合マネジャー(Body Corporate Manager)との契約案、専属賃貸仲介エージェントとの契約案など、さまざまな計画図面、規定案が含まれており、契約書は非常に複雑で長いものとなります。

開示書の内容に、決済日(Settlement Date)前に変更があった場合は、開発業者(売り主)は新たに訂正された開示書を買い主に提出しなければなりません。

また、こういった契約の場合、契約上、最長で何年間、開発業者が決済日を延長できるのか、事前に把握しておくことが大切です。

契約書には「Sunset Date」と呼ばれる、「この日までに開発業者が物件の建設と登記を完成させなければいけない」という期日が記載されています。この期間を過ぎて物件の登記が完了していない場合は、買い主に契約解約の権利がありますが、それ以前では、いくら当初の予定より工事が遅れていても契約を解約することはできません。土地販売法(Land Sales Act 1984)に従い、この期間は最長で契約日から3年半です(開発業者が事前に政府の認可を受けている場合は、5年半まで延長可能)。

銀行のローン承認は通常3〜6カ月ほどしか有効ではありません。住宅ローンを組んでオフ・ザ・プランの住宅を購入する場合、契約日から決済までの間に自分の雇用や所得の状況が変わったり、物件の査定額が下がったりして、ローンが決済時になって下りないという可能性もあります。そういった場合でも法的に物件を購入する義務があります。購入価格が払えずに契約を解約せざるを得なくなった場合、開発業者が別の買い主に物件を売却するためにかかる損害賠償以外に、支払ったデポジット(通常10%)を開発業者に剥奪されることになってしまいます。

ステージごとの開発の場合、自分のユニットや建物が完成しても、周囲でまだ工事を行っていたり、当初開発で計画されていた商業用物件やお店、学校などが最終的には建てられない可能性もあります。将来的な開発により、見晴らしや日当りが影響されないかどうかも考慮して物件を選ぶことが大切です。

上記は一般的な情報であり法的アドバイスではありません。


中山渚央里
2009年に弁護士資格を取得。リトルズ法律事務所所属。主に商事案件・会社法・不動産業務を専門に担当している。

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