第9回  お金から自由になろう②

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第9回 お金から自由になろう②

文=諸星きぼう

今回は、前回の続きでお金から自由になる方法についてです。

「人生を楽しむ」

お金から自由になる2つ目の方法としては、お金とは、人生を楽しむために使うものであるということを理解し、実践することです。

あなたは、何のために貯金をしていますか? ただ漠然にとか、老後のためとか、万一の場合に備えてとか、いつか買うかもしれない住宅資金としてといった理由を挙げられる方が多いように思えます。

老後のためや住宅資金、万一のためのというように、目的があるならまだいいです。しかし、収入から使った残りが貯蓄になっているという人も結構見受けられます。そうすると、常に収入を意識した上で、お金を使うことになります。

自分を表現するために本当は20万円のコートが欲しいのに、給料に合わせて5万円程度の機能重視のものを選んでしまったようなことはありませんか?

海外旅行を考えた時に、有名ではないが見てみたい遺跡があるのに、ツアーの方が安いからと、その遺跡には行かないツアーを選んでしまった経験はありませんか ?

貯金を月いくらしなければいけないから、友達との会合やセミナーに行くのをやめたことはありませんか?

これらはすべてお金に支配されていて、本当にやりたいことを楽しんでいない例です。

人生におけるその時間は、その時にしかありません。あなたが価値を見出しているものや、充実できる楽しいと思えることに対しては、お金の尺度だけで考えないで、積極的にお金を使うということも重要だと思います。

「収入の範囲内で暮らす」

そして、お金から自由になる3つ目の方法は、収入の範囲内で暮らすということです。先程の話と矛盾すると思われるかもしれませんが、この意味することは、お金に関してしっかり計画を立てるということです。ライフ・プランニングやファイナンシャル・プランニングがしっかりできていることが前提になります。

2つ目の方法である“人生を楽しむためにお金を使う”には、そのお金を使った後、あなたの財政状態がどうなるのかを瞬時に分かるようになる必要があります。

お金を使う時に自分の財政状態がどうなるか分からない状態ですと、使うことに不安を覚えたり、罪悪感を感じたりしてしまいます。こんな感情を持っていると、お金を使うことを楽しめません。

良くない例の最たるものとして、住宅ローンを使って住宅を購入することが挙げられます。私が銀行員時代には、住宅ローンの金額を決める時、銀行の審査が通る範囲、通常ですと、返済比率が40%以下という基準でローン金額を決めている人がたくさんいました。

でも、返済比率が40%ですと、住宅ローンを支払った後の手取り金額では生活するのがやっとで、月々の不足分はボーナスで補うという状態です。ですから、お父さんの小遣いは月3万円なんていう事態になるのです。

もちろん、住宅を取得することを否定するつもりはありません。でも、住宅ローンというのは、収入の範囲を超えた、もしくは、超えるかもしれないお金の使い方の最たる例なのです。

きちんとライフ・プランニングやファイナンシャル・プランニングができていたとしても、これらはあくまでも予想に基づく計画であって、実際にその通りになるとは限らないのです。当初、返済に問題がないと思っていても、変動金利型を選んでいたら金利が上昇してしまったり、固定型を選んでいたとしても収入の方が減ってしまったりといったことが起こり得るのです。

豪州においては、住宅価格が上昇傾向にあるので、担保価値の増大を目指し、その担保余力で次の投資物件を購入するということが盛んに行われているようですが、不動産価値の上昇を前提にした、無理な資金計画はいつか破綻するかもしれませんので、十分注意してほしいと思います。

世界はどんどん変化していくものであって、あなたの収入は世の中の変化によって簡単に変わってしまうということを肝に命じておいた方がいいでしょう。 

ですから、収入の範囲で暮らすことを考えれば、できれば現金で家を買いたいところですが、そうもいかないことも多いですから、せめて頭金を40%くらいは準備するか、返済比率が20%以内に収まるように住宅ローンを設計したいものです。

ライフ・プランやフィナンシャル・プランをしっかり作るということは大変な作業です。ですから、すぐにでも取りかかってください。せめて、あなたのバランス・シート(資産と負債の一覧表)や収支表はきちっと作っておきたいものです。

 

今月の 得ネタ

円安は怖い!

ここの所の円安修正によって株価も反発し、多少なりとも安堵している日本人が多いようです。

しかし、本当にそれで良いのでしょうか?

円安が一時的に進んだ時期には、輸出企業の売上が上がり、それがけん引役となって日本経済が潤ってきたと思っている諸兄は、マスコミの過った煽せんどう動に踊らされています。

確かに、一時的にはGDPも上昇し、景気が良くなった(ような気がした)かもしれませんが、本質的には日本経済の構造的変革を妨げてきたに過ぎないのです。

分かりやすい例を申し上げれば、小泉内閣の時に、いざなぎ景気を越える、景気拡大の最長記録を作りましたが、景気が良いと実感した日本人がどれだけいたでしょうか?

ドル円でみると、変動相場制移行以来円高が続き、直近では1998年8月の147円台からずっと下落し続けており、相場のあやである反発局面で円安が進み、その時に輸出企業が良い思いをするだけという状況が続いているのです。

しかも、輸出増大で溜め込んだドルは、その後の円高で米国へ価値移転させられているのです(借金棒引き状態)。

それが、この20数年にわたる“失われた”歳月をもたらしたといっても過言ではないと思います。 資源高、食糧高の今、日本の構造としては、もはや円高の方が望ましいという時期にさしかかっております。

しかし、この円高が未来永劫続く保証はありません。円高はインフレ率格差からもたらされており、デフレであるが故に円高であったのです。


円安によりインフレとなり、円安を固定化してしまうリスクも(写真はイメージ)

その円高が、財政破綻懸念や経常収支の赤字化などから円安に向かう可能性が極めて高く、逆説的ですが、その円安によりインフレとなり、円安を固定化してしまうリスクが高まっているのです。

この2月からの円安で、円ベースでの原油価格が20%以上上昇し、そのうち円安分が8.5%にも及んでいます(3月9日現在)。円安により、私たちの購買力が下がり、貧しくなっていくのです。

適度な円安が一時的にあってもいいですが、超・円安は恐ろしいのです。

 


著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

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