第1回 投機ではなく投資をしよう

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第1回 投機ではなく投資をしよう

文=諸星きぼう

今回は第1回ということで、本コラムにおける考え方から述べたいと思います。まず最初に、次の質問に答えてください。「あなたは投資で、どのくらいお金を増やしたいですか?」

ちょっと、考えてみてください。この質問を多くの人にしてきましたが、そのほとんどは「増えれば増えるほど良い」と答えます。実はここに、投資・資産運用の失敗の根本的な原因があるのです。

というのは、増えれば増えるだけ増やしたいということは、リスクを無限に取るということを意味し、その人のリスク許容度を超えてしまうだけでなく、すべての財産を失うことになりかねないからです。特にバブル発生時には、このような投機行動に走る人がたくさんおり、バブル崩壊とともに破産者が続出するのです。

まずは、ライフ・デザインから

投資において最初に考えなければならないことは、自分が「どれだけの資産をどれだけの期間」で作りたいか、というゴールを明確にすることなのです。そのゴールは何となく欲しい金額といった漠然とした金額ではなく、あなたの夢、ライフ・デザインを実現するために必要な金額であってほしいと思います。

ですから、まず、「あなたがどう生きたいのか」ということを考えることが、投資の第一歩と言っても過言ではないのです。投資は、言うなれば人生哲学なのです。

こうした考え方をしっかり持つことによって、経済や相場にどんな異変があっても動じない“こころ”ができ上がるのです。じっくり時間をかけて、あなたの人生を考えてみてください。

今回、拙著「お金は週末に殖やしなさい」の表紙を掲載させていただきましたが、このイラストはある意味、私のライフ・デザインの一部を表してくれています。

私のモットーは、「楽しく、自由に生きて、豊かになる。そして、その和を拡げていく」というもので、そうした“自由人ライフ”が表現されています。

さて次に、その夢やライフ・デザインを実現するために必要な資金の金額を考えてみましょう。もちろん大雑把な金額で構いませんが、できるだけしっかりとした金額を計算してみましょう。

この金額を達成するために、今ある資産、および将来入ってくるキャッシュ・フローを何%で回したらいいかを計算します。

ここで重要なことは、その利回りがあなたにとって、妥当なレートであるかどうかが重要です。もし、年率40%で30年間運用できなければ達成できないということであれば、目標設定を変える必要があります。なぜならば、あの世界一の投資家と言われているウォーレン・バフェットですら、年率20%で運用するのがやっとなのですから、年率20%以上で長期に渡って運用できるという仮定は現実的ではないからです。

10年3倍ポートフォリオ

私は「10年3倍ポートフォリオ」を提唱していますが、これを実現するためには年率11.7%で10年間運用し続けなければならず、一般の人にはかなりハードな目標となります。

私の運営しているインベストメント・サロンの最上級メンバーで、やっとこの目標設定ができるレベルです(もちろん実現するかどうかは10年経ってみないと判りませんが…)。そこで、皆さんがまず取り組める目標としては、10年2倍くらいがいいと思います。そうするには、年率約7.2%で10年間運用できればいいので、オーストラリアの定期預金金利にプラスアルファの運用ができれば達成できるからです。

この10年2倍ポートフォリオから10年3倍ポートフォリオに時間をかけて作り変えていけば、当初のリスクでいつの間にか高い利回りで運用できるポートフォリオができ上がるのです。

投機ではなく、投資をしよう

年率7.2%とか年率11.7%といった利回りを聞いて、「何だ、そんなレベルかー」なんて思ってしまった人はいらっしゃいませんか?


「お金は週末に殖やしなさい」
ISBN978-4-8443-7108-3
定価:¥1,449

世間に出回っている、投資ノウハウの書籍や投資情報を見ていると、あたかも短期間で高利回り(例えば、3年で10倍になる)で運用できるようなことが書かれているものが出回っています。「そんなことが可能なのでしょうか?」

答えは可能です! しかし、最初に述べたように、過大なリスクを取ることになり、最後には破産するでしょう。実際、そのような本を書かれている人で短期間うまくいった場合もあるのでしょうが、恐らく、そのような投機を続けていたら、晩年は惨めなものになることはほぼ確実です。投機だけを続けて、人生を全うできる人は本当に稀なのです。

私たちは「足るを知る」べきだと思います。自分の幸せを実現できるお金があれば十分でしょう。ですから、本コラムを読んで私と一緒に、投機ではなく、投資をしていきませんか?

今月の 得ネタ

狼が来るぞー

欧米の債務問題が世界マーケットを震撼させています。

リーマン・ショック後、ドバイ・ショックから始まったユーロ危機に、この2年間翻弄され続けていますね。

しかし、トレード的にはこの現象をポジティブに捉え、収益を上げることが比較的簡単になっています。なぜなら、ユーロ円の動きがパターン化されているからです。

南欧諸国の財政問題が起きる度に月央に向けて売られ、月初の欧州中央銀行(ECB)理事会などでの支援策が決まりそうという観測が流れ、月後半から翌月初まで買われ、再度問題が生じて売られるというパターンです。

具体的に見ていきますと、6月は7日に高値117.88円、16日に安値113.50円、5月は4月28日に高値121.81円、16日に安値113.39円、4月は11日に高値123.33円、18日に安値116.47円、3月は4日に高値115.97円、17日に安値106.40円という具合となっています。

このパターン通りに行くなら、7月12日の109.56円を底にして、本紙が出るころには高値圏にあることになります。実際、ユーロ圏首脳会談でギリシャ第2次支援が決まり、アイルランド、ポルトガルへの支援体制も確認されました。イタリア、スペインといった大国への危機の伝播を抑えるための支援ということです。

いつもの繰り返しかー、とため息をついていないで、月央に買い、月初に売るというスイング・トレードを繰り返して投資収益のアップを狙ってはいかがでしょう?

こうした動きを見ていて私が思うことは、イソップ童話の「狼少年」です。

ギリシャだ、アイスランドだ、ポルトガルだと、危ないぞーと市場が動揺して売られ、EU当局、IMFなどの必至の対策のお陰ではありますが、結局、何でもない(とまでは言えませんが)ということで戻っていく、このパターン。

少年が「狼が来るぞー」と叫んで村人が駆けつけると狼はいなかった、ということを繰り返している様に見えてきます。

しかし、いつしか本当に狼がやって来る時が近づいているのかもしれませんね。


著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

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