スーパーファンドとネガティブ・リターン

オーストラリアの金融事情

オーストラリアの金融事情

宇都 重信
Uto Insurance & Financial Services P/C ACN No. 051 973 105

スーパーファンドとネガティブ・リターン

スーパーアニュエーションのアニュアル・ステートメントを受け取る時期になりました。残念ながら、ほとんどの人のアカウント・バランスは今年度、昨年7月時よりも減額されているでしょう。これは米国のサブプライム問題、原油価格の高騰や小麦のコモデティー価格の上昇、インフレ懸念対策のよる金利上昇などが世界の株式市場を下落させたためです。豪州株は13%の下落、外国株式指数は21%の下落となっています。また豪州の不動産株は36%の下落で、1981-82年以来、25年ぶりに悪い記録です。

スーパーの運用オプションに「バランスト・ファンド」を選んでいる人が多いようです。これは70%がグロース・アセット(株、不動産)、30%がキャッシュと債権の分散型ファンドです。分散型投資が、長期運用では高いリターンを出すとして、好まれていますが、昨年度のような状況で、マイナス・リターンになってしまいました。

ただし、これらを踏まえても、バランスト・ファンドの年平均の成績は、1982-2007年 が11.9%増、2003-2007年では14.5%増となっています。過去5年間でバランスト・ファンドに運用されてきた金額は57%増となっています。

人間の心理として、このこのような不安定な時期はこれ以上、損失(ロス)を出さないように、元金保障のキャッシュに変更しがちですが、これは損失を確定させることでもあります。

ここ最近はインフレの影響で、銀行の金利も8%前後と魅力的ですが、これも長続きせず、いずれ1、2年前のように4~5%に戻る可能性があり、残念ながら5%前後の運用率では十分に貯蓄できないリスクもあります。「マーケットが回復したらまた元に戻せばいい」と考える人もいますが、通常、元に戻せる自信をもてるようになるには、マーケットが回復して1年過ぎてからと言われており、これではその回復を見逃してしまいます。

しかし、今回の下落は悪いことだけではありません。この下げが始まって以来、新しい掛け金は市場が安い時に買ってきているわけですから、後日、市場が元に戻った時に効果的に働いてくれます。

今回これだけ大きく下げた世界の運用市場ですが、過去の例からみても大きな反動で一気に戻ることも期待できます。その時期は10月以降という意見もあり、もうしばらく辛抱が必要なようです。

ソース: AMP Capital investors

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