第1回 送金のタイミング

金融の基礎知識
 世界では毎日、莫大な量の通貨が交換(売買)され、毎秒ごとに相場が変動しています。世界中でいろいろなものが取引されていますが、中でも外国為替市場は最も大規模で流動性の高い市場の1つでしょう。
 為替は、「需要と供給どちらが強い ? 」という問いかけの答えによって走り出します。その需要と供給の指針となる主な要因は以下の3つといえます。


①経済的要因 ― 経済報告が示す経済情勢や政府機関、中央銀行が取り決めた経済政策を含む
②政情 ― 国内外・地方の政情(例えば政治の混乱や不安材料などは、その国の経済にマイナス効果を与える)
③市場心理 ― 長期傾向の深読みや工業取引の対価、また優良品への資本投資など
 そこで気になるのが送金のタイミングです。例えば2008年後半を例にとってみると、08年7月23日の最安値時($1=\104.48)に100万円を豪ドルに換金した場合は約9,500ドルで、08年10月24日の最高値時($1=\55.11)を記録した日に換金した場合は約18,000ドルと、受け取る豪ドルの額に大きな差があります(※)。
 要するに、円高であれば同じ1円でも多くの豪ドルが買えるわけですから、円から豪ドルに換金する場合はたいへん得をした気分になります。ただ、こうして過去を振り返ってタイミングを考えると、非常に明確かつ単純なことなのですが、為替の高い・安いはいつと比べているのかが重要な鍵となっています。実際、9月ごろに急激に円高に動いた時点で慌てて送金した人、もしくは最高値になるのをずっと待っていて、結局最高値時を逃してしまった人などさまざまな人がいることでしょう。自分の中で損得の感情が生じた時には、「自分はいつのレートと比べているのか」と自問してみてください。
 昨今の世界的な経済不安もあってか、現在豪ドル安が続いていますが、この状態もいつまで続くかは分かりません。反対にオーストラリアに資金移動を考えている人にとっては、またとない魅力的なチャンスでしょう。
※実際に換金する場合はニュースなどに出ている中値相場ではなく、売り買いの手数料を含んだレートでの取り引きとなるので、あくまでも目安としてお考えください。
この記事は情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。また、すべて一般的な情報を掲載しておりますので、個人の状況によってはこの限りでないことをあらかじめご了承ください。


★Profile:
安藤由香利(あんどう・ゆかり)
ウェストパック銀行
プレミア・ファイナンシャル・サービス部マネジャー
愛知県出身。日豪両国で16年間銀行員として勤務。預金から貸付まで銀行商品一般を取り扱い、相談に応じている

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