子どもの犯罪はどのように扱われるのでしょうか

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Q: オーストラリアでは子どもの犯罪はど のように扱われるのでしょうか。
(50歳男性=会社員)

A: オーストラリアでは、連邦法だけが扱う犯罪(国際間の麻薬取引・密輸など)について以外は、州ごとに異なる刑関連法が存在します。

NSW州では、例外を除いて、10歳以上18歳未満(厳密には、犯したとされる罪が10歳から18歳未満の間に起こり21歳未満で起訴されたものであること)の子どもの犯罪は、NSW州少年裁判所(the NSW Children’s Court)で裁かれます。関連法律上、基本的には起訴対象となる罪の種類に大人と子どもの区別はなく、立証要件についても大人に対する要件と全く同様のもの(「通常の立証責任」)が規定されています。

10歳未満の子どもについては関連法上、いかなる罪でも起訴されないことになっています。10歳以上14未満の子どもの犯罪については、先述の通常の立証責任に加えて、罪に問われている行為が単なるいたずらのつもりではなく悪行であることを、その子どもが認識していたことを立証する責任が検察に課せられることになります。

対象行為が比較的軽微犯罪である場合には、関連法律に則って正式起訴手続きを免除し警察レベルの処理のみで終結されることもあります。

1つ目は警告(Warnings)で、例えば不法侵入や公衆の面前での無礼な態度や言葉など、暴力行為が含まれない罪に対して行われる対処法です。この対処が取られた際には注意記録が子どもの氏名とともに残されますが、行為自体は記載されず、また注意記録も子どもが21歳になった時点で破棄されます。

2つ目は注意(Formal cautions)であり、この対処法は、子どもが親など責任ある大人の立会いの下、1その行為に対する責任とその行為が引き起こした結果の責任を認め、2注意を受けることを承諾した場合に行われます。関連法律上、注意は上限3回と規定されており、注意を受けることに対して弁護士のアドバイスを受ける機会も与えられ、1度出された注意の取り消し(クーリングオフ)を選択し、正式手続きを受けることを要求する権利も与えられています。

注意記録は正式起訴手続きの代替処理として残され、さらなる罪に問われた際には少年裁判所に提出され得る対象物となります。ただし、あくまでも有罪が確定したわけではないため、成人後に罪に問われた際、対象となる裁判所で前科として提出されることはありません。

対象行為が比較的重大犯罪でその子どもの非行更生支援が必要であると思われる場合には、ユース・ジャスティス・カンファレンス(Youth justice conferences)と呼ばれるリハビリテーション制度に委託されることがあります。同制度は正式手続きを取る前に警察が委託することが一般で、それが理想であるされていますが、正式手続きの中では裁判所によって委託が命じられることもあります。記録については注意のそれと同様です。

ただし、すべての罪がこれら3通りの対処法の対象となり得るわけではなく、交通犯罪、性犯罪、ストーキングや脅迫行為、薬物関連法違反などは対象外と規定されています。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

 


 

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山本(青木)智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys
 
 
NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している

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