従業員による着服や横領などが心配です

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Q:最近、新聞などで社内架空取引での詐欺被害のニュースを読みました。私の会社は最近、オーストラリアのローカル企業を買収し、社員の数が飛躍的に増大したこともあり、社員教育・管理を徹底するのに少し時間がかかることが予想されます。そのために従業員による着服や横領などが心配ですが、そのようなケースを補償する保険はあるのでしょうか。

 
(46歳会社員=男性)

A: ご質問にあるような新聞に掲載される企業内犯罪はあくまでも表立って報道されるほんのひと握りの事件のみで、実際にはかなりの頻度で同様のケースが発生していることが予想されます。

要因にはさまざまな理由が考えられますが、過当な競争にさらされることにより営業成績を上げるための穴埋め的な行為や、逆に社員のモラル低下、またはITシステムが拡充したことによって送金作業が簡略化し、安易にオンライン・システムの不正操作ができるようになったことなどが考えられます。

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そういった状況の中、社員の不正行為による会社の損失は、近年件数の増加と被害額の高額化が顕著となりました。そしてその損害から会社を守る保険として、身元信用(Fidelity Guarantee)保険が以前よりありましたが、昨今ではますますその有効性・重要性が高くなってきていると言えます。この保険は社員が社員としての地位を利用して行った犯罪による被害を補償する保険です。被害の対象は現金盗難、小切手などの不正使用、在庫品など会社資産の着服、給料支払いに関連する不正操作、請求書・領収書の偽造(架空取引)などが考えられ、対象となる社員については、正社員、アルバイト、学生のワーク・エクスペリエンスなど、雇用形態を問わずすべての従業員が対象となるのが一般的です。

また、同保険では被害実態を調査するための費用などもその対象に含まれるのが一般的で、逆に補償対象とならないケースとしては、被保険者である会社自体の不正行為、不正が明確でない場合、不正によって失われたであろう将来的な見込み売上損失、企業秘密の漏洩などがあります。

なお、昨今ではより包括的なカバーを受けることができる総合犯罪(Comprehensive Crime)保険が普及しており、第三者による盗難やコンピュータへの不正侵入、クレジット・カードの不正使用などによる損害も含めて対応することが可能となりました。

現在では会社を運営するにあたり、社内システムの分析、構築、改善、トレーニングを保険ブローカーなどの専門家によって包括的に見直してもらい、被害を事前に防ぐ手立てを取ることも重要で、そういった事前の対策を採ることにより保険料の軽減および引受条件を向上させることができます。詳しくは専門家に相談をされるのがよいでしょう。

 


 

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斉藤 大(さいとう だい)
 
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア・ジャパン保険サービス部
世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

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