夢のマイホーム/ウェストパック銀 VS. ASICの裁判の行方

オーストラリアで夢のマイホーム計画

第134回 ウェストパック銀 VS. ASICの裁判の行方

先月のオーストラリア証券投資委員会(ASIC)とウェストパック銀行の裁判の結果はなんとウェストパック銀行の大逆転となりました。ローン審査時に細かく質問されるようになった「生活費の宣言(Declaration of Living Expenses)」が中心となる内容だったので、私も興味深く裁判のニュースを読みました。

裁判の焦点は、2011年12月から15年3月の約26万2,000件のホーム・ローンの審査の際に、ウェストパック銀行は生活費の計算を顧客の宣言する数字ではなく、銀行の持つ基準数字だけを利用したという点が融資責任を怠るか否かでした。5月から始まったこの裁判、一旦は同銀行が3,500万豪ドルの罰金をASICへ支払うことで同意していていましたが、ナイ・ペラム裁判長がこれを拒否。しっかり議論した後に然るべき罰金額を決定すべきとし、裁判が続けられました。

和牛ビーフに高級シラーズ・ワイン

“I may eat Wagyu beef every day washed down with the finest shiraz but, if I really want my new home, I can make do with more modest fare. Knowing the amount I actually expend on food tells one nothing about what that conceptual minimum is.”

「私は毎晩外食をし、和牛ビーフと高級シラーズ・ワインをしたたんでいるかもしれない。しかし本当に欲しいマイホームが手に入れることができるのであれば、その食費をローン支払いに充てることができるので、控えめな生活パターンに変えるはずだ」と同裁判長は指摘しました。

それぞれの申請者の融資される以前のライフ・ヒストリーを、銀行が融資を査定するのに利用するのは、申請者がローン開始後にライフ・スタイルを変更しないことを前提にしており、それはおかしいと指摘していました。

実際に、ローン支払いが厳しくなるケースの多くは、失業、予測しない病気の発症、そして離婚による収入減のパターンであると言います。

裁判の結果から融資は緩和されるのか?

裁判に勝利したものの、同銀行はローン審査時に必要な生活費の項目を13項目から18項目へ増やしました。同時にその家庭のグロスの収入の7倍以上が家庭内のローンとなる場合には、更に厳しい審査を実施すると発表しています。多くの銀行が、金利は下がってもまだまだ審査を緩和する方向ではないことが伺える結果となりました。


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