住宅ローンの利用から引き渡しまで 海外在住者の不動産売買物件購入②

日本への帰国が決まった際に決めなければならない重要なことの1つに住まいが挙げられる。賃貸物件に関する注意すべき点や具体的なスケジュール、アドバイスなどを株式会社CHINTAIの塩川美樹氏に伺った。

塩川美樹
株式会社CHINTAIで2018年にサービスが開始された「帰国部屋探しコンシェルジュ」として活躍中。海外赴任から帰国する家族に向けた住まい探しのサポート・サービスなどを行っている

ーー海外在住者が日本帰国後の住まい探しを進める際に、注意すべきポイントは?

不動産会社とのやり取りは主にメールになるので、返信が来るまでに時間が掛かったり、途中で連絡が途切れてしまったという人もいますので、まずは信頼できる不動産会社を見付ける、もしくは日本で代わりに動いてくれる親戚や友人などを確保できると部屋探しもスムーズに進みます。

また、部屋探しを始めると部屋の内部にばかりに気を取られがちになりますが、帰国後の職場までの通勤経路や路線の混雑度、お子様がいるようでしたら、希望の学校の学区内に入居ができるか、通学路は安全かという点にも注意して探す必要があると思います。海外に住んでいると忘れがちですが、朝の通勤ラッシュをいかに回避するか、お子様が安全な道で通学できるか、その辺りにも注意を配るべきではないでしょうか。

ーー帰国が決まった際、住まい探しをスタートすべきタイミングは?

ほとんどの物件において「内見しないで契約」「不動産会社に来店しないで契約」ということが難しいので、その2点に関しては日本に帰国してから実施する必要がありますが、帰国してすぐに内見ができるようにインターネットや日本の不動産会社を通じて、内見可能な物件を幾つかピックアップして準備を進めておく必要があります。しかし、「部屋探しは運と縁」と言われているほどタイミングがとても大切になるので、早めに始めても、目星を付けた物件が帰国までに埋まってしまうということもよくあります。

帰国の1カ月前には相場などを見ながらエリアを絞り、1~2週間前には帰国後に内見したい物件を探して、不動産会社に事前に連絡を取り、部屋の条件や物件の空き状況を確認しておくとスムーズです。

エリアを絞らず、物件の目星を付けないまま帰国し、そこから部屋探しをスタートさせると、家が決まるまでの仮住まいであるウィークリー・マンションやホテルの滞在時間が長くなり、その分宿泊費がかさんでしまいます。事前にエリアと物件を絞っておくことで、帰国後すぐに「内見・申し込み・入居審査・契約」とスムーズに進めることができ、鍵渡しまでを数日間で実現することが可能です。特にエリアが絞られていないと、市や県をまたいでの部屋探しとなり、1~2日では回りきれないため、その分仮住まいの滞在日数が延びることになります。住所が決まらないと、市町村への転入手続きどころか、お子様の学校の転入手続きもできないため、生活が安定せず日本での新生活のスタートがなかなか切れない状態になってしまいます。

ーー専門業者に委託する場合、業者選びなどで注意点はありますか。

業者選びで気を付けるべき点は、取り扱い物件数や状況に寄り添って提案してくれるかなどです。エリアが決まっていれば、地場に強い、いわゆる「街の不動産屋さん」の方が詳しい情報を持っていることもありますが、エリアが定まっていないようでしたら、大手の不動産会社や物件の検索サイトでLINEで部屋を探してくれるサービスなどに頼ってみるのも良いでしょう。ただ、一番気を付けるべきなのは「レスポンスをしっかりしてくれるか」「状況や希望にマッチした部屋を見つけてくれるか」など、寄り添って一緒に部屋を探してくれる、信頼できる業者を探すことではないでしょうか。

また、帰国直後は家具・家電や日用品をそろえたり、近隣へのあいさつ回り、市区町村への行政手続きにも期日がありあわただしくなると思います。その辺りもしっかりフォローしてくれるサービスなどを見つけると良いでしょう。

ーー「帰国部屋探しコンシェルジュ」としてご活躍されていますが、実際にどのようなことを行われていますか。

私たちのサービスは主にLINEでのやりとりになりますが、ご希望の部屋の条件や日本での勤務地、通学予定の学校などを教えて頂き、通勤通学に最適なエリアで顧客に合った部屋を探し、ご希望や悩みに寄り添いながら最適な物件を紹介しております。理想の部屋が見付かったら、不動産会社ではない中立的な立場で物件の内見調査を代わりに実施、後日内部動画・写真と併せて寸法やコンセントの位置などを報告書にまとめて報告します。物件を気に入って頂ければ、申し込みまで私たちが代行しますので、申し込みと入居審査を終えた状態での帰国が可能です。帰国後にそのまま不動産会社に行って頂き、賃貸契約・鍵渡しという流れで最短1日で入居可能となり、仮住まいの宿泊費が掛からず、日本での新生活の早期スタートが可能です。帰国後の面倒な行政手続きも代理で行っております。

ーー海外在住者からは具体的にどのような問い合わせがありますか。

家族帯同で赴任されているご家庭は教育熱心な親御さんが多く「わが子の語学力を下げたくない」「偏差値の高い学校への進学率が高い所に入れたい」などのご要望をよく伺います。その際、ご希望の幼稚園や学校の学区内のエリアでご提案しつつ、内見代行の際に物件から学校まで実際に見て歩いて安心して通学頂ける通学路を確保できる物件かどうかを確認します。海外の学校の場合、スクール・バスなどで通学されていることが多いですので、お子様ご自身が歩いて通学されることに、帰国直後は苦労されるそうなので、通学路については気を付けて確認するように心掛けています。

ーー最後に、今後日本に帰国後の部屋探しをする方へのアドバスをお願いします。

インターネットでの部屋探しは情報が溢れていて「まず何から始めれば良いか」「どの情報を信じれば良いか」と不安になることもあるかと思います。そんな中、日本に信頼して部屋探しを依頼できる親戚や友人がいて、不動産会社とのやり取りに入ってもらえると、部屋探しもスムーズに進めることができます。帰国後の部屋探しは事前の準備が不可欠です!日本に頼れる人がいない、しかし一時帰国して自分で探すことができない、そんな人には、さまざまな部屋探しサービスが存在していますので、ぜひ信頼できるサービスを見付けて、頼ってみてください。


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