【税とビジネス】不動産投資と「ネガティブ・ギアリング」③

不動産投資と「ネガティブ・ギアリング」③

インカム・ゲインを目的とするという考え方

賃貸不動産投資には、ローン残高が減ることで支払い利息が減ったり、ローンを完済し賃貸不動産から利益を得られるようになった場合に、投資収入を得られるという大きなメリットがあります。総節税分と総支払利息、賃貸不動産から利益を得られるようになってからの総利益を考え、後者が結果的に多ければ、売却益(キャピタル・ゲイン)がない場合でも有効な戦略となります。例えば、老後の収入源を確保するなどの戦略としては有効な手段と言えます。

キャピタル・ゲイン目的より投資収入(Income Gain)を狙うという考え方になりますが、特に金利が下がっている昨今はローン残高が減ることで、支払い利息が減り、かつてより早い段階からネガティブ・ギアリングからポジティブ・ギアリングに移るようになっています。また、今までは定期預金でもかなりの利息収入を得られましたが、定期預金の利率の減少により、不動産投資での投資収入を狙った利回りの方が魅力となってくることが考えられます。例えば、定期預金の利率が1.5パーセントで、不動産投資の利回りが5パーセントという感じです。今の日本の状況です。

また、キャピタル・ゲインを狙うのかインカム・ゲインが目的なのかにより、購入する物件も変わってくるでしょう。やはりインカム・ゲインを狙っていくなら空室期間が少ない物件、高い家賃が取れる物件(ホテル・タイプなども含む)、ボディ・コーポレートのような費用が少ない物件が考えられます。

このように投資する際、特に不動産投資は「まだまだオーストラリアの不動産は値上がりしますよ」「ローン金利が下がってきた今だからチャンス」「不動産で節税できます」など短絡的なアドバイスに流されず、総合的な観点から考えることが大切になります。

購入にはスタンプ・デューティーが掛かり、購入・売却には弁護士費用、売る際の不動産業者手数料などが掛かります。ローンを組むとちゃっかり手数料を取られます。このような気付きにくい費用や、インフレ率も前もって考慮する必要があるでしょう。夫婦共同名義で買うのか、半々以外の割合で買うのか、トラストなど他の事業形態で買うのか、などの購入名義も考慮に入れる必要があります。既にかなりの現金資産がある高所得者は「自己運用型スーパーアニュエーション(Self Managed Super Fund)」での購入も検討する価値があります。

ビジネスや人生にも生きる利回りの考え方、ローンの会計上のインパクト、一番の投資法など、機会があればまだまだご紹介したいと思います。


賀谷祥平
競馬騎手、豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikayawww.ezytaxonline.com.au/ja

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