州首相ら、国境閉鎖で連邦首相と論争

閉鎖解除に向けた道程で見解の相違

 オーストラリアの国境閉鎖解除に向けた道程に関して、アナスタシア・パラシェイQLD州首相とスコット・モリソン連邦首相との間で意見の対立が起きている。

 5月17日付シドニー・モーニング・シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 州政府は国境閉鎖解除に向けて、隔離制度を拡充し、新たに大規模な隔離センターの開設を提案しているが、モリソン連邦首相が、パラシェイQLD州首相の提案を一考することなく拒絶したことからモリソン首相に対する批判が湧き上がっている。

 連邦政府は、国境閉鎖が2022年中期まで続くことを想定しているが、バージン社のジェーン・ハドリツカCEOは、「国民の接種が進むのに合わせて国境閉鎖解除を速めていくべきだ。接種が行き渡れば、死者はインフルエンザより少なくなるだろう。これまでも様々なウイルスが現れたが、結局、ウイルスと共存する方法を学んできた。コロナウイルスでも同じだ。少数の人は死ぬかも知れないが、国境を再開すべきだ」と語った。

 モリソン連邦首相は、5月11日の予算案発表時に明らかにしたように、海外からの帰国者や入国者を従来通りの規模で維持すると決めており、国境閉鎖解除を急ぐために隔離施設の拡充を求める州政府と対立している。また、メルボルンの北、ミクラムに隔離センターを新築するというVIC州政府の提案には柔軟に対応する用意を示したが、ブリスベン西方、トゥーンバ地区に隔離施設を新たに建てるクィーンズランド州政府の案に対しては、「QLD州政府案の最大の問題点は、大病院のある州都から離れていることだ。隔離施設は大都市の空港近くになければならない。トゥーンバとブリスベンではずいぶん距離がある」と語っている。

 5月17日、グラディス・ベレジクリアンNSW州首相は、オーストラリア国民に広く予防接種を広め、それに合わせて国境閉鎖を解除していくことを提案しているが、他州が隔離施設拡充に熱心ではないとして不満を漏らしている。また、NSW州のドミニク・ペロテット財相も、「国境閉鎖は政治的人気取り政策だがオーストラリアの長期的繁栄の方がはるかに重大だ」と語っている。

 VIC州政府は、500床の隔離センター建設のために連邦政府の2億ドルを要求していたが、後に3000床、7億ドルに引き上げた。ピーター・ダットン国防相はこのVIC州政府案を退けたが、モリソン首相は関心を示している。

 一方、QLD州トゥーンバに近いブレア選挙区選出のシェイン・ニューマン連邦議員は、「モリソン首相は旅行者の隔離問題で責任逃れを続けているが、入国者隔離は連邦の管掌範囲だ」と発言、ブリスベンに近いオクスリー選挙区選出のミルトン・ディック議員も、「モリソン首相がトゥーンバ案に反対なら自案を発表すべきだろう」と批判している。

 経済界も国境閉鎖が長引くことに対して批判を強めている。
■ソース
States, PM squabble over path to reopening borders

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