NSW州の学校、宗教儀式用刀剣の携帯を禁止

刺傷事件後の措置にシク教徒コミュニティ憤激

 シドニー都市圏北西部の学校で刺傷事件が起きたため、州教育省は、宗教儀式用であっても刀剣の携帯を禁止した。男子が短剣を携帯する習慣を持つシク教徒コミュニティが州教育省の措置に憤激している。

 5月18日付ABC放送(電子版)が伝えた。

 この刀剣は刀身の大きく反った短剣で、キルパンと呼ばれ、弱者を守り、不正義に立ち向かう象徴とされ、ローブの下に帯びるようになっている。

 5月6日、グレンウッド高校で14歳の男子生徒が16歳の男子生徒をこのシク教徒のキルパンで刺しており、14歳の少年は重大な容疑で起訴される見通しになっている。

 NSW州政府のセーラ・ミッチェル教育相は、「この重大事件で、『妥当な理由があれば公共の場でナイフを持ちあることが許される』現行法制に正当な疑義が生まれた。教育省としても生徒と学校職員の安全を最優先しており、法律改正の是非を検討することになるが、暫定的には、宗教目的であろうと公立学校に刀剣類を持ってくることを禁止しなければならない」と語っている。

 また、ミッチェル大臣は、前公立学校長宛に通達を送り、5月19日より、刀剣、ナイフ類の学校への携帯をすべて禁止すること。また、法の抜け穴を塞ぐためマーク・スピークマン州法務長官と協議すると伝えている。

 ミッチェル大臣は、「シク教徒コミュニティとも話し合いたい」としているが、一部シク教徒指導者は、政府がコミュニティに相談する前にキルパンの学校への携帯を禁止したことは不必要な措置だとして政府を批判している。

 Turbans 4 Australiaのアマル・シン会長は、「キルパンはシク教徒にとっては神聖であり、不正義に対して立ち向かうことを象徴している。洗礼を受けたシク教徒がキルパンを携帯することは宗教上の義務であり、眠る時も手放さない人も多い。昨日、シク教徒がグレンウッドに集まってNSW州政府の措置に対して不満の声を挙げた」と語っている。

 キルパンはヨーロッパでも英連邦諸国でも法的な問題になっており、カナダでは最高裁が、「宗教的品目を禁じることはカナダの権利と自由の章典に反する」との判決を下している。一方、デンマークの高裁は、宗教は、6cmを超える折りたたみできない刃物を公共の場で持ち歩く正当な理由にならないと判決している。
■ソース
Sikh community angry as religious knives banned from NSW schools after stabbing

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