ユネスコが「グレート・バリア・リーフ危機遺産格下げも」

気候変動問題に消極的な豪保守連合政権が反発

 先頃、国際連合教育科学文化機構(UNESCO)が、世界遺産に登録されている世界最大の珊瑚礁群、グレート・バリア・リーフの白化が進んでいることで、危機にさらされている「危機遺産」として格下げする勧告案を発表。保守連合連邦政権がこれに反発していた。

 しかし、科学者はオーストラリア政府に対する批判を強めている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 保守連合はこれまでも経済優先で温室化ガス排出量削減には消極的だったが、珊瑚礁白化の原因である海水温上昇が大気中の温室化ガスによって引き起こされているため、連邦政府のスッサン・リー環境相は、「UNESCOはオーストラリアが単独で世界の温室化ガス排出量削減ができるとでもいうのか?」と反発している。

 UNESCOは、グレート・バリア・リーフの浅海サンゴ礁の50%が気候変動のために白化しているとして格下げ草案を発表している。

 2019年、リー環境相は保守連合政府が発表した、「グレート・バリア・リーフの健康状態悪化警報」を承認し、気候変動がリーフに対する大きな脅威になっているとする科学者グループにも同意していた。

 しかし、6月30日付「オーストラリアン」紙に投稿した論説で、リー大臣はUNESCOを非難し、「オーストラリアだけを責めており、「サンゴが復活し、水質も改善されている」とする最近の科学報告を取り上げていない」としている。

 これに対して、「Australian Research Council Centre of Excellence for Coral Reef Studies」のテリー・ヒューズ教授は、「これはオーストラリだけが責められているというような問題ではない。オーストラリアは豊かな国であり、同時にサンゴ礁も持つというユニークな立場にありながら気候問題に消極的だという問題を抱えている。オーストラリアは気候変動対策で世界をリードすべき立場にある」と批判している。

 マコーリー大学のレスリー・ヒューズ副学長も、「オーストラリアは地球温暖化に大きく手を貸している国であり、連邦政府は本来もっと野心的に気候問題政策に取り組まなければならない」と批判している。

 現在、世界のほとんどの国が2050年またはそれ以前を目標に炭素ニュートラル化を掲げているが、オーストラリアは純ゼロ排出目標を定めることすら拒んでいる。

 また、グレート・バリア・リーフはオーストラリアの大きな観光資源の一つであり、白化が進むことも大きな打撃になるが白化が世界的に知れ渡ることもやはり大きな打撃になる。オーストラリア政府が白化の事実を否定していれば対策が遅れ、さらに白化が進むというジレンマを抱えている。
■ソース
Scientists reject Minister’s blast over UNESCO Barrier Reef downgrade

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