オーストラリア政府、イギリスと自由貿易協定交渉に

独立性維持に中国への過度の依存から脱却図る

 オーストラリアが貿易でも高等教育の海外留学生でも中国の膨大な人口や成長期の経済に過度に依存してきたことで様々な弊害が生まれていることが指摘されてきたが、オーストラリア政府は中国依存一辺倒から脱却する行程としてイギリスとの自由貿易協定交渉を始める考えを明らかにした。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 イギリスはEUから脱退したばかりであり、EU加盟国の特権を失うことから、2019年にはイギリス政府のリズ・トラス国際貿易担当大臣がすでにオーストラリアとの自由貿易協定交渉をほのめかしていた。

 現在までオーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国であり、地下資源、農業産品を輸出し、工業製品などを輸入しているが、内政干渉問題や国際外交問題の軋轢でオーストラリアからの輸出が突然禁止される事態が起きており、その度に産業や経済に激震が起きている。

 両国は長年貿易関係に関する話し合いを進めてきたが、6月17日、サイモン・バーミンガム貿易相は、「オーストラリアはイギリスとの貿易を望んでいたが、Brexit問題の決着がつくまで待たなければならなかった。今月末から交渉を開始し、2020年中に協定にこぎ着けたい」と語っている。

 ナショナル・プレス・クラブでの発表で、バーミンガム大臣は、「オーストラリアは、イギリスとの自由貿易交渉で、輸出産品特に農産物でしっかりした市場を求めることになる。またデジタル貿易や投資で両国の堅固な経済関係をさらに発展させたい」と語っている。

 ただし、豪中貿易は2019年には1,500億ドル近い額に達しており、イギリスとの貿易額もかすんでしまうが、中国は最近にも豪州産大麦に80%の関税をかけ、国内4か所の食肉会社の中国輸出ライセンスを停止するなどの措置を取っており、現在は中国政府が国民に、「オーストラリア留学生を控えるよう」呼びかけるなどしている。

 バーミンガム大臣は、「中国の豪州産大麦の80%関税などでオーストラリアの輸出業者も農家も公正な条件の競争ができなくなっている。不利益を被っているのはオーストラリアの農家ばかりではない。中国の消費者や業者も大変な負担を強いられている。国内農業産品貿易調整団体のABARESは、中国政府の決定でオーストラリアの損失は3億3,000万ドルと推定しているが、中国側の損失は36億ドルにものぼると推定している。

 オーストラリアにとってイギリスは50年前には第2位の貿易相手国だったが、現在では第12位に転落している。
■ソース
Australia looks to lessen reliance on China, with UK free trade talks to commence

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