ウイルス不況で中小納入業者への支払い遅滞激化

大手顧客企業の支払期日法制化も要望

 今年初めまですでにじわじわと経済不況に入り込んでいたところにコロナウイルス蔓延と社会規制で経済が大きく落ち込んでいる。そのため、大手顧客企業から中小納入業者への支払いが次第に遅れ始めており、納入業者の負担は総額で億ドル単位に達している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 ABC放送の時事番組「7.30」が入手した会計ソフトウエア・メーカー、Xero社の新しいデータによると、納入から支払いまでの平均期間が2020年2月には25.5日だったが5月には26.5日に伸びている。

 この10日間の6億ドルの支払い遅延は中小納入業者にとってはキャッシュフローにプレッシャーとしてのしかかっている。そればかりでなく、取引の10%は支払いまでの平均期間が53日から58日に伸びている。

 中小ビジネス・オンブズマンのケート・カーネル氏は、「支払いの遅れは中小ビジネスにとっては重大な問題で、コロナウイルス蔓延の結果、状況はさらに悪化しており、大企業には支払期日を大幅に伸ばしているところもある。中小ビジネスにとって遅れは年額で70億ドルの損失になっている。顧客企業が納入業者に支払う期限を最大でも30日に制限するよう法制化が必要。大手企業が支払わなかったり、支払いを遅らせたりしており、中小ビジネスが廃業するしかないところまで追い詰められたという話をいくつも聞いている」と語っている。

 任意のビジネス規範はあるが、国内3,000社の大手企業でこの規範採用に署名しているのは136社に過ぎない。カーネル氏は、「任意のビジネス規範には頼っていられない。法制化が必要だ。連邦政府が認識すべきなのは、コロナウイルス蔓延下に中小ビジネスにとっては非常に重要なことだが、支払期限の改善をぜひとも必要としている。資金繰りの問題だ」と語っている。

 工事用の足場を提供するビジネスを経営していたが大手建設業者の支払いが遅いために遂にビジネスを畳まざるを得なくなった経営者は、「中小ビジネスは仕事を失うことを恐れて顧客企業に適正な支払期日を交渉することができない。しかし、法制で支払期日を決めてもらえれば交渉でも弱い立場に立つこともなくなる。また、30日という期日が法制化されていれば、納入業者は安心して大きな契約を取り、雇っている労働者への賃金支払いのことも心配しなくて良くなる」と語っている。

 一方、ネオ・リベラル系シンクタンク、「Institute of Public Affairs」のギデオン・ロズナー氏は、「期日を法制化することはむしろ中小ビジネスに不利になる。大手企業が中小ビジネスとの取引をやめ、他の大手企業と取引するようになる可能性がある。そうなれば中小ビジネスにとっては損失だ」と分析している。
■ソース
Small businesses call for mandatory maximum payment times as late payments cost them hundreds of millions of dollars

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