「人命最優先で交渉すべきだった」など45項目勧告

リンツ・カフェ籠城事件検視法廷、突入の遅れ批判

 5月24日、NSW州検視法廷で異例の長さで続けられていたリンツ・カフェ籠城事件の審理が完了、検視官の判決文が読み上げられた。マイケル・バーンズ検視官の勧告は45項目に及んだが、究極的な責任は人質多数を取って立て籠もったハロン・モニス被疑者(事件時死亡)にあるとしている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 バーンズ検視官は、「警察の指令部はモニス被疑者の危険性を見誤り、またアドバイスにも欠陥があった。また、立て籠もりが続く間に人質から8回の電話連絡があったが、警察がこれに答えることを怠ったのは「重大な過失」だったとしている。さらに、45項目の勧告には、州警察内部にテロリズム交渉専門グループを設立することも含まれている。

 バーンズ検視官は、「ハロン・モニス被疑者は12月16日午前2時3分に人質のトリ・ジョンソン氏(カフェ・マネージャ)を散弾銃で殺害しており、それから10分間、外で待機していた警察の突入部隊が敢然とした行動を起こさないままに過ぎた。モニスの発砲後直ちに突入すべきだった」としている。また、人質のカトリーナ・ドーソン氏(客)は、突入した警察官の発射した銃弾が屋内で跳ね返った破片を受けて死亡しているが、ドーソン氏死亡の究極的な責任はモニス被疑者にあるとしている。また、16時間にわたる籠城事件中に警察が最高水準の対応をしたとしても人質の死亡が避けられたかどうかは確言できない」としている。

 検視法廷はNSW州の歴史でももっとも複雑かつ長期にわたる審理が続き、証言だけで23週間、証拠物件は何百という数に上った。

 しかし、事件当時のモニス被疑者は、ガールフレンドがモニスの元妻を殺害した事件で従犯に問われるなど46件の容疑で起訴されながら保釈を受けており、バーンズ検視官は、「州検事局が強力に保釈に反対すべきだった」と批判している。また、被疑者との交渉も粘り強く人質の安全を優先して進めるべきだったとしており、警察にアドバイスを行った精神分析医は専門外のテロ事件のアドバイスで内容も不明確なままだったと厳しく批判している。
■ソース
Sydney siege: NSW Coroner criticises police for the time it took to storm cafe

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