NSW州農業者が除草剤めぐりモンサント社を提訴

メルボルンの庭園師に続いて国内では2人め

 NSW州の農業従事者が除草剤ラウンドアップの長期使用でがんになったとして販売元のモンサント社を提訴した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この農業従事者は、NSW州南西部モアマ地区で混合農業を営むロス・ワイルド氏(67)で、ラウンドアップがオーストラリアで発売開始された1976年以来この除草剤を使い続けてきた。

 しかし、2018年にワイルド氏は非ホジキン・リンパ腫と診断されたことから、「長年にわたりラウンドアップの有効成分であるグリフォセートにさらされてきたことで病気になった」と主張している。

 2019年6月にはメルボルンの庭園師、マイケル・オグリアロロ氏(54)がやはり長年ラウンドアップにさらされたために非ホジキン・リンパ腫を発病したとして、メルボルンのトニー・カルボーニ弁護士を通じてモンサント社を訴えており、ワイルド氏も同じカルボーニ弁護士を通してVIC州最高裁にモンサント社を提訴した。

 グリフォセートを開発し、ラウンドアップの商品名で発売したモンサント社は現在は国際複合企業バイエル社の子会社になっているが、カルボーニ弁護士は、「今週末までに両訴訟の訴状をモンサント社に送達する」と発表している。

 また、「ラウンドアップの瓶に表示された警告は不十分で、ワイルド氏の衣服や身体は40年間の除草剤の使用でしばしばびしょ濡れになっていた」と語っている。

 さらに、「モンサント社は常にラウンドアップを安全と宣伝しており、時には食卓塩より安全とさえ言っている。ワイルド氏はすべての人々にラウンドアップが安全ではないことを知ってもらいたいと望んでいる」と語った。

 これに対して、バイエル・オーストラリア社は、「がんにかかられた人には深く同情するが、グリフォセート系除草剤の科学的研究で同除草剤が非ホジキン・リンパ腫を引き起こすことのないことが示されている」と反論している。

 また、豪農業連合会(NFF)は声明を発表し、独立規制機関の安全評価を含めて800件を超える科学的研究やレビューで、グリフォセートが安全であり、がんを引き起こすことはないと確認されている。また、アメリカの国立農業研究所でも57,000人の農業者、グリフォセート使用者を20年以上にわたって追跡研究してきた結果、グリフォセートとがんの間の関係を見つけられなかった」としている。

 また、連邦政府もグリフォセート使用を管理する法律の改定をする必要がないとしており、豪農薬獣医薬局は、「グリフォセート薬剤はラベルに表示された以外の使い方をすることは違法であり、ラベルの表示は人々の安全のためにある」としている。

 しかし、オーストラリアがん協議会CEOのサンチア・アランダ教授は、「国際がん研究機構(IARC)では、グリフォセートを2Aの『ヒトに対しておそらく発がん性がある』に分類している」と述べている。
■ソース
First Australian farmer sues Monsanto, claiming Roundup caused his cancer

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