シドニー出身女性、マレーシアで絞首刑逃れる

ロマンス詐欺の被害者、3回目の裁判で無罪

 マレーシアで違法薬物密輸の容疑で有罪判決を受け、絞首刑を宣告されていたシドニー南西部キャブラマタ出身の女性、マリア・エクスポストさん(55)のマレーシア連邦裁での控訴審で「ロマンス詐欺の被害者」主張が認められ、無罪を言い渡された。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 エクスポストさんは、オンラインで「アフガニスタン駐留の米軍特殊部隊員・ダニエル・スミス大尉」と知り合い、オンラインで婚約した。

 2014年、「スミス大尉」はエクスポストさんに、中国の上海に渡り、オンライン婚約者の陸軍除隊書類に署名するよう指示した。上海では「スミス大尉」の友人と名乗る男がエクスポストさんに書類と「クリスマスプレゼントの入った」バックパックを渡し、オーストラリアに持って帰るよう依頼した。

 エクスポストさんは、マレーシアのクアラルンプール空港乗り継ぎで帰国することになっていたが、誤って空港で一旦出国してしまったため、再度出国手続きを行い、検査場で自発的にバックパックを係官に渡している。

 係官がバックパックに潜ませてあった1.1kgのクリスタル・メタンフェタミン、通称アイスを見つけ、エクスポストさんは逮捕された。

 下級審で、ドラッグ・シンジケートのロマンス詐欺被害者と認められ、一旦は無罪判決を受けたが、検事側が控訴し、一転有罪判決、絞首刑を宣告された。そのため、エクスポストさんは連邦裁に控訴していた。

 エクスポストさんのムハマド・アブドゥラ弁護士は、「二審の判事は非常に旧弊な人物でインターネットでどういう詐欺が広まっているかをまったく認識していなかった。クアラルンプール空港で係官に、『バッグにアイスが入っていた』と言われたエクスポストさんは、『氷なんて溶けてしまうじゃない』と答えるほどナイーブな人柄だ」と語っている。

 連邦裁では5人の判事の合議でエクスポストさんがロマンス詐欺に騙されてドラッグを運ばされたと判断し、二審判決を破棄し、無罪を言い渡した。
 エクスポストさんは11月27日にも釈放され、オーストラリアに帰国することができるようになる。

 シンジケートがエクスポストさんに送った「スミス大尉」の写真は、事件とはまったく無関係な退役英海軍将校の写真やビデオをインターネットで盗んだものだった。

 マレーシアでの裁判でエクスポストさんの証人に立ったメルボルン大学のモニカ・ウィッティ教授は、「エクスポストさんは典型的なロマンス詐欺被害者の例だ。私は証人台に立つ前にすべての裁判資料を読み、マリアさんと面会するまで何の判断も下していなかった」と語っている。
■ソース
Sydney woman Maria Exposto wins appeal against conviction on drug trafficking charges in Malaysia

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