モリソン首相、ロボデット・システム問題にようやく謝罪

2017年には異常が指摘され、停止したのは2019年

 2016年に導入された「福祉金不正受給摘発システム」のロボデット・システムは、1年後には「システムに問題があり、解消するまで停止」を勧告されたが、裁判所が、同システムの受給者所得などの算定方法を違法とする判決を下したことから、2020年5月にようやくシステムの使用を停止した。それまで貧しい福祉金受給者が身に覚えのない巨額の「不正受給金」返済を迫られるなどして、相談機関に駆け込むなどしてきた。

 ロボデット・システムによる不正取り立ては10億ドルを超えるとも言われているが、先頃、連邦政府はこれまでの受給者の負債を帳消しにする他、既に「返済」された金についても受給者に返済すると発表している。しかし、スコット・モリソン連邦首相はこれまでロボデットによって精神的な苦痛を味わわされた人々に対する謝罪を拒否していたが、6月11日になって突然「人々の受けた苦痛」に対して謝罪した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 また、ロボデット・システムによる取り立てが違法と判断されたことで集団訴訟が始まり、これまで政府は「係争」を理由に謝罪を拒否していた。

 謝罪したモリソン首相は、「納税者の負託を受けて債権を回収することは困難な仕事であり、その仕事の遂行上に大勢の人々に苦難を与えたことを深く後悔する」と語った。

 ロボデットが発行した「不正受給金返済請求」が不法な算定方法を取っていたため、全く不正受給をしていない人々にも請求書が送られており、苦情が寄せられていたにもかかわらず、政府とセンターリンクはシステムを停止しなかった。

 6月7日、クリスチャン・ポーター連邦法務長官は、「現在、法廷で係争中であり、その係争の焦点になっているシステムを欠陥システムだったというわけにはいかない」と暗に欠陥システムだったと認める発言で謝罪を拒否している。

 前日、モリソン首相は、問題のシステムで用いられた「所得平均化」算出法を労働党の責任にする強硬な回答をしていたが、一転、謝罪に変わった。そのため、野党労働党のビル・ショーテン影の家族社会事業相が、「ガン患者が病院でガン治療を受けている時にさえロボデットの借金取り立てを受けることが起きていた。この欠陥システムのために大勢の人が悩み苦しんだ。政府はこのシステムが違法であることを知りつつ3年間にわたって使い続けてきた。モリソン首相の謝罪はワニの空涙に過ぎない」と批判している。
■ソース
Scott Morrison apologises for ‘any hurt or harm’ caused by robodebt scheme

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