性虐待加害者、被害者に賠償請求

宗教系学校の元教師、法律盾に取り

 NSW州ブルー・マウンテン在住の性虐待加害者の元教師がこともあろうに被害者に2万ドルの裁判経費請求するという行動に出た。加害者はすでに刑事訴訟で有罪判決を受けており、加害者を雇っていた宗教系学校と被害者の間では和解が成立していたが、加害者が法律の不備を利用して被害者に裁判経費を請求するという、いわば「盗っ人猛々しい」事態に学校側が、「異様な行為」として、請求取り下げを要求している。

 この元教師、ネビル・ギルバート・ベタリッジは、1970年代にブルー・マウンテン・グラマー・スクールに雇われ、舎監と地理学教師を務めていた時期に生徒だったマーク・ワース氏に対して学校内で性虐待行為を繰り返した。ワース氏は、「ベタリッジは医務室を抜けて生徒宿舎に来て私を自室に連れて行った。彼は大酒飲みで、毎回タバコとアルコールがつきものだった」と証言している。

 裁判の結果、2004年にベタリッジはワース氏に対する2件の性暴行で有罪判決を受け、執行猶予付きで3年の懲役刑を言い渡された。7年後、ワース氏は、当時学校を経営していた英国教会教区とベタリッジを相手取って損害賠償請求訴訟を行った。その結果、教会側が折れ、賠償金を支払うことで和解が成立、ワース氏はベタリッジに対する訴訟も取り下げた。

 しかし、最近になって、ベタリッジの弁護士から、ワース氏宛に手紙が届き、「ベタリッジ氏の裁判経費を弁済するよう」要求してきた。ABC放送に出演したワース氏は、「冗談かと思った。被害者が加害者に裁判経費を支払うなんて話が通るか? そこから込み入った法律問題に入り、昔の悪夢が甦ってきた。昔、彼に性虐待を受けていた時とまった苦同じ気持ちだ。自分が無力で彼の言うがままになっていた悪夢だ。英国教会との和解金も何もかも弁護士達の懐に入って、彼らの食い物にされただけだ」と語っている。

 ベタリッジの弁護士、ポール・グリッソン法廷弁護士は、「依頼人は、2005年のUniform Civil Procedure Rulesのpart 42, rule 19に基づき、ワース氏に裁判経費支払いを求める権利がある」と語っている。英国教会側は、ベタリッジに請求取り下げを要求している。しかし、ワース氏を支援してきたデビッド・シューブリッジNSW州議会緑の党議員は、「この事件で、英国教会は、教会が訴訟を受ける実体を持たないといういわゆるエリス防御を利用し、ワース氏に対する損害賠償請求を逃れようとした。教会は、ブルー・マウンテン・グラマー・スクールが法的に実体として存在しなかったと言いくるめようとした。また、教会が、ワース氏の賠償請求に対して保険していなかったと主張しているがこれも奇妙な話だ。州政府が教会に対して保険を要求しなかったとしたら奇妙な話だ。私立学校が保険をかけていないとすれば、どんな親が子供を学校にやれるだろうか」と語っている。

 シドニーの法廷弁護士、アンドリュー・モリソン博士は、「性虐待被害者を法的に保護する法改革が必要だ」と語っており、現在、連邦による「児童性虐待問題に対する組織的対応」特別調査委員会が開かれている時に、性虐待被害者を保護する法制が欠けていることを指摘している。(NP)

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