「旅行は海外よりも国内で」と政府、被災地

被災地への旅行者数回復を復興の足がかりに

 NSW州南部海岸地域はナウラからエデンまで各所でブッシュファイアの被害を受けたが、一時期幹線道路が各所で通行止めになったり、被災地域で旅行者退去命令が出されたため、全域にわたって旅行者の足がばったり途絶えている。しかし、ブッシュファイアの危険が一段落した今、南部海岸地域全体の経済的な復興のためには旅行者をこの地域に呼び込むことが不可欠になっており、政府も被災地も、「バリに行くより国内旅行を」と呼びかけている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)はベガ・バレー外れのメリンビュラの様子を伝えている。

 2019年末には旅行者退去の命令が出され、域外の車がペトロール・ステーションに行列をつくり、わずかに開いていた経路をたどって脱出した。しかし、1月11日には郡部消防局(RFS)が、「旅行者はこの地域に戻っても安全」宣言を出した。しかし、この季節、例年なら毎日3万人が通過するメリンビュラの町も今も静まりかえっている。

 どこも、年末年始のかき入れ時に備えて仕入れていた商品を捨てなければならなくなった一方で仕入れた商品の請求書の支払いにも困る状態になっている。また、被災地だけでなく、被災しなかった地域でも客足が途絶えており、同じ苦難にあえいでいる。その上に被災地以外の地域では保険金が出るのかどうかさえ分からない。

 地域の宿泊施設は2月まで宿泊予約で満室になっていたが現在は3月までキャンセルが続出しており、「今後何ヶ月かの間、稼働率は20%もあればいい方」といわれている。

 そのため、1月16日には観光オペレータや業界団体の代表がサイモン・バーミンガム観光相と会談し、被災地や周辺地域の観光業界再興の戦術を話し合った。

 一方、地域の住民主導の動きはすでに始まっており、「Go With Empty Eskies」と称するソーシャル・メディアを通じたキャンペーンで国民に国内旅行を勧め、しかも旅行用の保冷箱には何も詰めていかず、被災地や風評被害を受けている地域で買い物をするよう呼びかけている。
■ソース
‘Cancel your trip to Bali’: the tourist towns crying out for visitors

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