非英語圏出身者英語教育に警告

NSW、「十分な人材・予算不足」

 2月7日付ABC放送は、NSW州公立学校教職員や教育専門家の意見として、非英語圏出身家庭の子弟に対する英語教育(第二言語としての英語、ESL)の需要が高まっており、英語教師人材が不足していくとの警告を報道している。

 NSW州政府は、州内の小学校・高校1,250校のESL生徒145,000人の「第二言語または方言としての英語、EALD」をサポートすると約束している。これは過去3年間で62.19%の増加率とされており、公立学校で英語教育の必要な生徒がこれだけ増えていながら常勤ESL教職員の人数は2009年以来変わっていないばかりか、1990年代前半以来わずか20人が新たに採用されただけで総数は896人にしかならない。

 NSW州教職員組合のマンディ・ウェルズ氏は、「州全域でESL生徒のニーズがなおざりにされてきた。フェアフィールド小学校では生徒の98%が非英語圏出身生徒だが、この学校だけでもESL授業6年分遅れている。そのための予算も不足している。あるだけの予算を使って補助教職員も手伝って、ESL生徒の高校進学に必要な英語を教えている状態だ」と語っている。

 また、英語がほとんど話せいない生徒もおり、それがトラウマになったり、苦痛に感じている生徒も大勢いる。5学年、6学年にもオーストラリアに来るまで教育を受けたことのない子供がおり、その子達の成長のためにはESL教師が重要な役割を果たしていると語っている。

 NSW州政府のエイドリアン・ピッコリ教育相は、「ゴンスキ追加学校予算でEALD生徒支援も強化される」と語っている。しかし、シドニー大学のTESOL(非英語圏出身者英語教育)准教授のケン・クルックシャンク博士は、「政府の声明は3月選挙向けの言葉ではないか。5万から6万の生徒がおり、学校予算を増やすというが、常勤教師は一人もいない。来年も追加予算が出るという保証もない」と批判的であり、ジョン・ケイ緑の党議員も、「ゴンスキ予算を全額ESL教師に回してもまだ足りない。1,400万ドルといっても教師を140人新規採用できる程度の額。州全体でESL教師数が900人になる程度ではないか」と批判している。
■ソース
Teachers warn of looming crisis over English as a Second Language courses in NSW schools

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