メルボルン暴走死傷事件で「不追跡方針」に反対の声

「停めていれば惨事は起きなかった」と警察内部の不満

 1月20日、メルボルン都心部で起きた盗難車暴走歩行者4人死亡事件で、犯人が直前に交差点内でぐるぐる回りを続けて交通を妨害し、さらに惨事現場に向かって暴走した。警察は交差点事件の何時間か前に盗難車追跡中止を決定していた。しかし、その時点で検挙しておれば惨事は防げたはずという声が警察内部から起きている。

 国内では各州とも暴走車の追跡で逃走車が他の車や歩行者、路肩の電柱などを巻き込む大事故を起こした過去から、暴走車を追跡せず、違反者の割り出しや待ち伏せなどの手段で検挙する方針を取っている。しかし、20日の事件では惨事を防げなかった。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 この事件では乳母車の乳幼児も乳母車から投げ出されて死亡しており、市民に衝撃を与えている。VIC州検視法廷が4人の死亡について調査と審理を行い、男が兄弟を刺し、隣人の車を盗んで逃走してから交差点での違法行為までの間に警察は追跡中止を決定しており、その当否も調査の対象となる。

 ABC放送は匿名の警察官の発言として、「不追跡方針は恥さらしで卑怯な方針」といい、もう一人の警察官は、「見直すべき」と語っている。また、複数の警察官の意見として、「不追跡方針のため、暴走車に対して警察官は手足を縛られているようなもの。そのために今回のような事件を防げなかった。抜本的見直しが必要」と伝えている。

 また、「最初に兄弟を刺し、ガールフレンドを人質に逃走してから交差点の違反まで2時間あったが、追跡するなとの命令が出されていた」と語っている。

 警察の発表によると、同日午前11時45分、拳銃と電撃銃で武装した警察官がボルト・ブリッジ上で盗難車の運転者を取り押さえようとしたが、運転者が危険運転を続けたため、追跡中止の命令が出た。その後、午後1時30分にフリンダース・ストリート駅前交差点でぐるぐる回りの違法運転を行った。

 VIC州では暴走車追跡で5年間に13人が死亡しており、2015年に「不追跡方針」が決められた。その後、方針は手直しされたが、方針そのものは常に警察官に不人気だった。
■ソース
Melbourne car attack: Police members hit out at no-pursuit policy in wake of Bourke Street deaths

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る