イスラム憎悪の差別発言はスカーフ姿の女性を標的

極右国粋主義団体支持者増加傾向

 チャールズ・スタート大学の研究者が実施した大規模なイスラム憎悪実態調査結果によると、イスラム憎悪の差別発言は、頭にスカーフを巻いた女性がもっとも被害を受けており、また、買い物に出かけた際に罵声を浴びせられるケースがもっとも多いことが明らかになっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 また、子供を連れていてもイスラム憎悪差別発言は減らず、むしろ激しくなる傾向がある。さらにはイスラム憎悪の暴力行為も増えており、被害者が入院する事件も3%増加している。

 イスラム憎悪事件の被害者の75%が女性であり、しかも100%近くがヒジャブやスカーフを着けていた。また、周囲の者が被害者を助けに入った件数は届け出のあった事件でもわずか10件だった。

 また、商店街などに次いでイスラム憎悪行為事件の多いのは学校と大学だった。

 チャールズ・スタート大学(CSU)のイスラム研究文明センターの研究チームは「イスラム憎悪事件登録」ウエブサイトを設立しており、ここに事件を報告するとチームの基礎データとして蓄積され、オーストラリア社会のイスラム差別行為の動向の報告にまとめられる。

 研究チームは、2016年から2017年にかけて、この登録サイトに届け出があった349件の事件の分析報告を発表した。

 事件の75%で男性が加害者、70%以上でスカーフを着けた女性が被害者。しかも、登録のあった通報の41%が被害者ではなく目撃者によるものだった。このデータから、イスラム憎悪差別発言のほとんどが、男性が無抵抗な女性に罵声を浴びせる事件で、目撃者は事件を無視していないが止めることもしていない。ただし、目撃者は自分に危険が及ばない形で差別行為を制止する方法が思いつかないということが考えられる、としている。

 また、被害者が入院する暴力行為は2%から5%に増えており、最悪の事件では女性の親子が道路を横断中に車にぶつけられており、ドライバーは更にバックした後、加速し、子供をかばう母親をはねている。

 また、近年、公共の場でおおっぴらに攻撃する事件が増えており、大勢の目撃者、警備員や防犯カメラのあるところでの事件が30%増加している。

 学校や大学での差別発言事件も加害者が他の生徒・学生、教師、校長、スポーツ・コーチなどという現実がある。他の生徒が女生徒のスカーフを無理矢理はぎ取ったために髪の毛をむしられ、頭を負傷する事件や、高校長に「不法移民」と罵られ、学校に訴えたが加害者が罰せされなかったという事件も報告されている。また、QLD州のイスラム憎悪事件が人口比で他州よりも飛び抜けて多いことも報告されており、政治家の反イスラム発言やテロ事件報道と連動して変化していることも明らかにされている。

 しかし、研究者は、「報告されている事件は現実のごく一部ではないか。オーストラリア社会の安全のためには国民全員が社会全体の団結に尽力する責任を負っている」と述べている。
■ソース
Islamophobic abuse mostly directed at women wearing headscarves while shopping, study finds

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