大臣巻き込んだ事件捜査中に警察長官に電話

モリソン連邦首相に各方面から「政治介入」非難

 アンガス・テイラー連邦環境・エネルギー担当大臣が、クロバー・ムーア・シドニー市長批判に使ったシドニー市の公文書が改竄されたものだったことについて、連邦労働党がNSW州警察に捜査を依頼していた。その捜査が続いている間にスコット・モリソン連邦首相がミック・フラーNSW州警察長官に捜査進行について問い合わせるという事件が起き、マルコム・タンブル前連邦首相までがモリソン首相の行為を厳しくとがめる状況になっている。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 11月27日の連邦議会の質問時間にモリソン首相は自己弁護に努めたが、野党労働党のアンソニー・アルバネージ党首も首相の行為を非難し、テイラー大臣の休職を要求した。

 テイラー大臣は、「この文書はシドニー市のウエブサイトからダウンロードしたもの」と主張しているが、市の年間出張旅費が常識で考えてもおかしい何百万ドルもの額になっており、それを根拠にテイラー大臣はムーア市長を非難する手紙を書き送り、マードック系新聞もその数字をそのまま事実として報道した。現実の出張旅費とは何千倍もの違いがあることが指摘されている。しかも、シドニー市側は、ウエブサイトのメタ・データを引用して「正しい数字で文書をネットに掲載しており、一度も書き換えられたことはない」と反論し、最終的にテイラー大臣が、事実誤認だったことを認め、謝罪している。

 しかし、公文書の改竄そのものが犯罪を構成することから、労働党がNSW州警察に捜査を依頼していた。その捜査が始まったという報道に対して、テイラー大臣の上司にあたるモリソン首相がNSW州警察長官に電話して捜査の進行を問い合わせることは司法に対する「政治介入」と見られかねないため、通常は政治家がやってはならないこととされている。

 タンブル前首相は、「自分の大臣が関わっている事件に関して、自分なら警察長官に問い合わせることはしない」と批判しており、また、無所属連邦上院議員の一人は、「モリソン首相とフラー長官との友好関係を考えると、首相の電話という行為は非常に問題が大きい」と非難している。

 フラー長官は、「シドニー市公文書改竄事件捜査は来週中に完了することを期待しているが、改竄が重大な事件とは思わない。しかし、政治家が関わっており、国民もメディアも政治家が関わっている事件を重大に考えるだろうとは思う」と語った。
■ソース
Scott Morrison under fire for calling NSW Police Commissioner amid Angus Taylor forgery probe

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