NSW州警察官がアボリジニ少年に暴力

現場ビデオ浮かび上がり、警察を告訴に

 NSW州北部海岸地域の町で夜間帰宅途中のアボリジニの少年を3人の警察官が呼び止め、口論の末に警察官が少年の顔を殴った。このやりとりが通行人のビデオで撮影されており、事件後間もなく、通行人がビデオを公開して、証拠になったことから、少年は警察官の雇用主であるNSW州政府を相手取って告訴した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 2019年9月のある夜にカシノの町で起きた事件で、リズモア地裁に提出された原告陳述書は、警察官の行為は、「おぞましいレーシズム行為であり、抑圧的な警察力の乱用だ」としている。

 SMHの取材に対して、原告ティーンエイジャーは匿名を希望しており、警察官の暴行、殴打、不法監禁、家宅侵入などの罪状に対する賠償を要求している。

 オーストラリア先住民族に対するNSW州警察官の行為はこれまでも問題になっているが、6月初めにはシドニーで警察官がアボリジニの少年の逮捕時に足払いをかけて転倒させており、少年は顔と頭を地面に強打、顔面を負傷した他、歯も欠けている。現場ビデオがテレビ・ニュースでも放映されたことから、警察官の行為に対して捜査が始まっている。

 カシノの事件では、バンジャラング・グループの少年(当時17)が午前零時30分頃に帰宅途中、3人の警察官が近寄ってきた。警察官は半ブロックほど少年を尾行した後、少年を取り囲み、職務質問している。ビデオには少年が、「家に帰る途中だ」と繰り返していることが捉えられている。少年が警察官を置いて立ち去ろうとしたところ、陳述書によれば、ベンジャミン・デビッド・チバーズ巡査長が少年の胸をこづき、さらにもう一人の警察官が手で少年の腕を押さえたところ、少年がその手を振り払っている。そこで、チバーズ巡査長が少年の頭を殴りつけ、少年のかぶっていた帽子が飛んでいる。

 そこで、警察官3人はビデオ撮影されていることに気づき、チバーズ巡査長が少年に向かって、「なぜ警察官に腕を振り上げたのだ?」と質問し、少年は、「腕など振り上げていない」と答えている。

 陳述書は、「警察官は何の理由もなくアボリジニの少年を狙い撃ちしており、少年に屈辱感を与えている。本来、少年を保護する義務を持つ警察官が自分達の職務に無関心を示した」と述べている。

 デビッド・エリオット州警察相は、「警察は大勢の先住民族を警察官に採用している」とのみ答え、事件については答えていない。
■ソース
Aboriginal teen sues after alleged NSW police assault caught on video

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