連邦裁「豪社会保障史上恥ずべき行政の大失策」

違法「自動取り戻しシステム・ロボデット」を断罪

 保守連合連邦政府は、福祉金などの過支払いを取り戻すコンピュータ自動返金請求システムとして、「ロボデット」を立ち上げた。しかし、大勢の福祉金受給者が、「身に覚えのない金額」や「福祉金を受け取ったことがないのに返済を要求された」との苦情が次々と寄せられた。しかし、連邦政府は何年もこのような苦情を拒絶、放置していた。そのため、生活の困苦で自殺者まで出している。

 一方、身に覚えのない返済を求められた人々が集団訴訟を起こしていたが、その裁判で連邦裁は、違法なロボデットを何年も使い続けたスコット・モリソン保守連合政府を厳しい言葉で批判している。

 ABC放送(電子版)が伝えている。

 メルボルンの連邦裁でバーナード・マーフィ判事は、「連邦政府の社会福祉相は、この違法な制度に欠陥があることを知っておくべきだった。この制度はオーストラリアの社会保障制度史上最大の恥ずべき行政の大失策だ」と厳しく批判し、保守連合連邦政府には、「勝訴報酬」のみで集団訴訟弁護を請け負ったゴードン・リーガルに840万ドルの裁判費用を払うよう命じた。

 この裁判の審理中には、ロボデットが433,000人から不法に17億3,000万ドルを奪ったとの陳述もなされており、マーフィ判事は、連邦政府が被害者と18億ドルの和解交渉に入ることを認めており、今後、保守連合連邦政府のロボデット制度被害者が名乗り出てくればこの賠償額もさらに大きくなることが予想される。

 マーフィ判事は、「政府の行為で莫大な額の公金が浪費されてしまった」と政府を批判している。

 ロボデット制度はコンピュータで自動照合し、計算上福祉金の払い過ぎと判定すると自動的に過支払い返済催告書を送るようになっていた。2015年7月から使用開始し、苦情があったにもかかわらず2019年11月まで使い続けていた。

 2020年6月、モリソン連邦首相はようやくロボデット被害者に謝罪し、賠償支払い、不法な取り立ての返済、取り立ての停止などには応じたが、問題の責任は一切認めていない。

 マーフィ判事は、もともと福祉金受給者が経済的に弱い立場にあり、ロボデットの取り立てのために経済的苦境に陥り、不安や苦痛にあえぎ、さらに「福祉泥棒」の汚名を受け、自殺者まで出した被害者の証言には、「さいなまれる思いがした」と語り、ロボデットの計算基礎そのものに問題があっただけでなく、ロボデット制度が違法であることを大臣や官僚は知っているべきだった、と批判している。
■ソース
Robodebt condemned as a ‘shameful chapter’ in withering assessment by federal court judge

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