シドニーのトップ私立、政府補助で豪華な施設

公立学校は設備の補修にも予算不足

 3月7日に発表された報告書によると、2016年にシドニーのもっとも豊かな私立学校23校は学費、保護者拠出金その他の名目で総額9億5,000万ドルの収入があり、その上に政府助成金6,200万ドルを受け取っていた。生徒一人あたりの政府学校予算は公立学校が私立学校の2倍程度になるが、公立学校は私立学校と違ってどんな生徒でも受け入れなければならず、また、貧困家庭の子弟の率も高く、それだけ大きな予算を必要としており、学校が必要とする予算額に対する実質予算額は公立学校やカソリック学校がエリート私立に比べてはるかに低い。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 スコッツ・カレッジは、スコットランドの城郭のような図書館の改修に2,500万ドルの予算かける計画をNSW州政府に提出しており、2016年に700万ドルを私学助成金として受け取っている。比べて隣のタラマラ高校は、2016年に学校の運営費として1,460万ドルを連邦・州政府から受け取っており、施設・設備には合計14万3,420ドルを使っただけだった。

 全豪教職員組合(AEU)のコリーナ・ヘイソープ議長は、「教育で公金が私立偏重になっており、私立の間で施設建設競争になっている。ところが、公立学校では校舎や施設の補修でさえ予算が追いつかない状態だ」と語っており、NSW州の公立学校の施設補修計画は5億7,000万ドル分が資金不足のまま滞っている。

 2017年、公立学校は生徒788,891人、教育費は1人あたり$20,281だった。私立学校は生徒418,383人、政府からの私学助成金は$10,755だった。

 しかし、グラッタン・インスティチュートのピート・ゴス氏は、「各学校がどれだけの教育費を必要とするかは、Schooling Resource Standard (SRS)で見る方が公平だ。これはゴンスキ学校予算で用いられた各学校のニーズを基準とする算出法で、公立学校はSRSの87%しか教育費を受け取っていない。これに対してカソリック学校は90%から95%程度を受け取っている。一部の私立学校はSRSの100%以上を政府から受け取っているし、逆にSRSの50%程度しか受け取っていない私立校もある。また、公立とカソリック系ではすべてSRSの95%以下しか受け取っていないが、一般私立ではSRSの95%以下という学校は64.8%しかない。

 ゴス氏は、「教育成果を最大限に得るためには学校がSRS全額を得なければならない。公立学校制度は入学する生徒全てを受け入れ、全ての生徒に同等レベル、無料、質の優れた教育を与えなければならない。社会的不利益を受けている子弟を受け入れる学校はそれだけ教育費も必要になる」と述べている。
■ソース
Sydney’s top private schools getting millions from taxpayers

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